川の落差活用、中小水力発電所増設へ 県企業局、小国・明沢川を適地調査

2020/6/1 10:16
小国町の明沢川で想定している発電所と同じ水路式の蘇岡発電所=鶴岡市(県企業局提供)

 再生可能エネルギーの発電事業を展開している県企業局は、中小水力発電所の増設に向けた適地調査を進めている。現在は小国町の明沢(みょうざわ)川と県内の砂防堰堤2カ所の計3カ所で発電所を設置できないか検討中だ。本県の豊かな水資源を最大限生かし、クリーンエネルギーの推進を図りたい考え。

 同局の水力発電所は県内に14カ所。1954(昭和29)年4月を皮切りに徐々に増やしており、直近では2017年10月に金山町の神室ダムを利用した「神室発電所」が完成した。14カ所の水力発電所の合計の最大出力は8万9320キロワット。このうち10カ所がダムを活用した「ダム式」か「ダム水路式」となっている。

 小国町東部を流れる明沢川の発電所は、落差のある所まで水路を整備して水車などの発電施設を設ける「水路式」で、最大出力3千~4千キロワット程度を想定している。11年の東日本大震災以降、固定価格買い取り制度(FIT)がスタートしたことを受け、県内で▽水量が豊富▽川の落差が大きい▽送電線が近い―などの条件を基に約10地点で可能性を調査した結果、現在は明沢川だけが検討対象として残っている。

 明沢川は14年度に発電所の場所や規模、取水地点などの概略をまとめた基本設計を策定。アクセス道路の整備が必要だったため、15年度は道路整備の課題などを検討した。電力会社の送電網の空き容量不足でいったんは検討を休止したものの、改善が見込まれた19年度に再開。20年度は道路の予備設計を継続し、発電所の整備費と売電収入などを照らし合わせて21年度に事業化を判断する。

初の砂防堰堤2カ所も

 県企業局として初となる砂防堰堤を活用した発電所は18年度に調査を開始し、候補地33カ所から最終候補2カ所にまで絞り込んでいる。最大出力500キロワット以下を見込み、20年度に基本設計や流量観測を行い、事業化について検討を進める。

 発電分は電力会社に売電する計画だが、20年度はFITの見直しも行われる予定で、採算性については慎重な判断が必要という。同局電気事業課は「FITの動向も注視する必要があるが、本県の水資源を活用したクリーンエネルギーの導入拡大に努めていきたい」としている。

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