アイデア裏目…大渋滞に 鶴岡市、飲食券のドライブスルー販売

2020/5/24 11:28
プレミアム付き飲食券を購入しようと、駐車場内で待機する車=23日午前11時1分、鶴岡市小真木原公園駐車場(画像の一部を加工しています)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策として、鶴岡市は23日、ドライブスルー形式によるプレミアム付き飲食券の販売を市小真木原公園駐車場で開始した。「3密」を防ぐための手法だったが、早朝から広範囲で渋滞が発生。市は24日からの販売を中止し、応募抽選方式に変えると発表した。23日午後4時までに市に寄せられた苦情や問い合わせは400件を超え、混乱の一日となった。

 市によると、当初は同公園の門を午前8時半に開け、同10時に販売開始予定だった。だが午前5時ごろから周辺に購入希望者の車列ができ、渋滞が生じたために予定を早めて同8時5分に開門、8時15分に販売を開始し、同10時半に門を閉め、正午ごろに完売した。訪れた車の少なくとも430台は購入できたが、400台以上は園内に入れなかったとみられる。購入者の記録は行っていない。

 渋滞は、同公園の周囲約4キロ四方で発生。付近の民家では車が出せず、住民の生活や仕事に支障を来した。同市稲生1丁目の小売業の男性(50)は「日付指定で発送しなければいけない商品があったが、車が出せず、職場に行けなかった。数百件分の注文が全部だめになった」と憤った。「渋滞が発生した場合を考え、付近住民の生活道路を確保しておいてほしかった」と不満を漏らした。

 販売終了後しばらくたっても混雑は続き、門周辺や付近の道路では市職員らが、知らずに待つ人々にパネルを持ち事態を伝えた。同市湯田川から訪れた男性(65)は「午前8時半の開門時間に合わせて来た。対応を早めたと聞いて残念だ」と疲れた様子。「コロナ禍で秩序が求められるからこそ、時間を守ったのに」と落胆していた。

 飲食券は、1セット6千円分(500円券12枚つづり)を3千円で販売。3万1333セットを用意し、23、24の両日にドライブスルー方式で1万セットずつ販売し、以降は各地域庁舎などで扱う予定だった。

市長緊急会見、見通しの甘さ陳謝

 鶴岡市の皆川治市長は23日正午、市役所で緊急の記者会見を行い、「渋滞を引き起こしたことは、大変申し訳ない。しっかりした予想を基に対応すべきだったと反省している」と述べ、見通しの甘さを陳謝した。

 皆川市長は「できるだけ早く飲食券を販売し、売り上げが落ち込んでいる業者を応援しようと取り組んだが、反響は予想以上に大きく、備えが不十分だった」と述べた。昨年度、消費税増税対策として住民税非課税者などを対象に販売したプレミアム付き商品券が、半分ほど売れ残ったことも読み違えにつながったとした。

 プレミアム率の高さについては「飲食業者は食文化創造都市・鶴岡を支えるパートナーなので、思い切った率にした」と語った。

 残りの飲食券2万1333セットについて市は、応募用紙を市役所や各地域庁舎で配布したり、ホームページから入手したりできるようにし、25日から窓口に提出するか、郵送する方法に変えて受け付ける。その上で来月30日まで3回に分けて抽選を行い、当選者にはがきで通知して販売する。1人3セット、1世帯9セットまでとし、1回外れても自動的に次の抽選対象とする。23日に購入していない人が応募できる。

「迷惑」「進めない」―ぶんちゃん取材班にも困惑の声

 鶴岡市のプレミアム付き飲食券販売による交通渋滞を巡っては23日、読者の疑問を調査報道する「寄り添うぶんちゃん取材班」にも無料通信アプリLINE(ライン)を通じて、市民の困惑の声が届いた。渋滞により「出勤に迷惑」「どこに行くにも進めない」などと生活への影響を指摘。混雑の見通しの甘さなど販売方法に疑問を呈した。投稿は午前10時ごろから相次ぎ、同日夜まで断続的に寄せられた。

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