県境検温初日、移動自粛を意識付け 前向きな取り組み/費用対効果に疑問

2020/4/19 10:56

 新型コロナウイルスの県内流入を防ぐ「県境検温」が県内で始まった18日、来県者からは「やる意味はある」「安心感につながる」と理解を示す声が上がった。一方で、政府の緊急事態宣言を受けた移動自粛の影響で人や車の往来は少なく、費用対効果を疑問視する意見も聞かれた。

■山形蔵王PA

 「体調はどうですか」。山形市の山形自動車道山形蔵王パーキングエリア(PA)に設けた専用エリアに車が誘導されるたびに、マスクを着け、雨がっぱに身を包んだ職員が窓越しに運転手に声を掛ける。大半の人が任意の検温に応じ、1分足らずで再び車を走らせた。

 県高速道路整備推進室によると、活動した午前10時から午後3時までに35台47人に声掛けし、37人が検温に応じた。発熱者はいなかったという。予定では本線から山形蔵王インターチェンジに向かう車を、途中にあるPAに誘導する予定だったが、雨によるスリップ事故防止のため断念。PAを素通りする車が多く、雨天時の課題が見えた形だ。

県職員が新幹線利用客にチラシを配り、往来自粛への協力を呼び掛けた=山形市・JR山形駅

 仕事先の宮城県から戻ってきた山形市の男性(52)は「前向きな取り組みなので中長期でやってもらいたい」、同県から仕事で上山市に向かう途中だった男性(51)は「(検温を)知らなかったので驚いた。移動自粛の意識付けになるので、いいと思う」。一方、仙台市内の女性(45)は車がまばらな様子に「費用対効果を考えると疑問が残る。山形でも感染が広がっているので、医療体制の強化にもっと力を入れた方がいいのでは」と話した。

■山形駅

 本県の玄関口となる駅や空港では主に啓発活動が行われた。

ロビーに設置された非接触型の体温計を利用する乗客=酒田市・庄内空港

 JR山形駅では、午前11時4分着の山形新幹線から降車してきたのは男性1人。その後も数人ずつの降車が続き、移動の自粛が浸透している現状が垣間見えた。県職員3人が不要不急の往来を控えるよう訴え、本格実施となる25日以降に始めるサーモグラフィーを用いた体温チェックについて併せて周知した。

 午後の新幹線で到着した東京都町田市の男性(67)は仕事で月に一度、来県しているという。「駅などでの検温には『閉鎖的』との意見もあると思う」としつつ、感染の拡大が続く現状を考え、「個人的には賛成だ」と理解を示した。

■庄内空港

 酒田市の庄内空港到着ロビーでは、羽田発全日空395便(午後0時5分着)の乗客7人に県庄内空港事務所の職員3人がチラシを配布。体調が気になる場合はロビーに設置された非接触型の体温計を利用するよう促すと、数人が体温を確認していた。勤務先の研修のため佐賀県を訪れていた鶴岡市の男性(19)は「飛行機の中は密閉空間という感じがして怖かった。仕事以外での外出は極力控える」と気を引き締めた。

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