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県内感染確認~(中)医療崩壊を防げ 病床確保へ病院連携

2020年04月04日 11:41
県内の感染症指定医療機関のコラージュ。中央は県立中央病院で、左上から時計回りに県立河北、日本海総合、公立置賜総合、県立新庄の各病院。新型コロナウイルス感染者の治療はここで行われる
 新型コロナウイルスの感染は終息の兆しが見えず、全国的に感染者は増え続けている。このまま増加に歯止めがかからなければ、対応できる病床が埋まり、イタリアなどのように医師や看護師、人工呼吸器などが不足して医療現場は機能不全に陥る。その先にあるのは、救える命を救済できなくなる地域の医療崩壊だ。

 先月31日から4日連続で感染確認が公表されている県内の医療提供体制はどうか。厚生労働省は本県では、流行ピーク時の1日当たりの重症患者が70人に上ると推計している。これに対し、新型コロナに関する治療を担う感染症指定医療機関は県立の中央(指定病床2)、新庄(同2)、河北(同6)の3病院と日本海総合(同4)、公立置賜総合(同4)の計5病院で、指定病床数は計18だ。県内で2日までに感染が判明した3人は、いずれもこの病床で治療を受けている。

 18床はもともと、結核などの感染症を想定した病床だ。新型コロナの感染が拡大すれば、足りなくなることが予想される。民間を含む県内の病院関係者を集め、先月4日に開かれた医療連絡会議では、入院病床の確保などを検討した。患者数が指定病床数を上回った場合を見据え、入院病床を150床程度に拡充する方針を確認。病床区分を明確にし、院内感染の防止策を施した上で用意することを申し合わせた。

 指定医療機関のうち、県立中央病院(山形市)の指定病床は2床だが、この病床がある階の入院患者を別に移し、フロア全体で対応することで50床まで広げることが可能という。県内3人目の感染確認を公表した2日の記者会見で、阿彦忠之県医療統括監は「新型コロナの患者をある程度集約して治療した方が安全」との考えを示した。

 ただ課題は多い。患者を集約すれば、専門知識を持つ県内の呼吸器内科医をその医療機関に集中配置することが必要になる。さらに、既に受け入れている一般入院患者や、手術が必要な患者に適切な医療が提供できなくなる恐れも出てくる。山形大医学部はこれらの患者を指定病院などから引き受ける考えを示しており、付属病院の欠畑誠治副院長(国際化・感染制御担当)は「円滑な患者の引き受けのため、地域の病院間での連携構築が重要」と強調する。

 重症者の命を救うため、政府はメーカーに人工呼吸器の増産を指示した。世界的にも品薄で危機的な状況とされる。県によると、県内には人工呼吸器が195台、重い肺炎患者の治療に役立つ人工心肺装置「ECMO(エクモ)」は13台ある。本県で3人目の感染者となった新庄市内の60代男性は集中治療室(ICU)で人工呼吸器を使用した治療を受けているという。基礎疾患を持つ人は感染による重症化が進む傾向にあり、今後も人工呼吸器の需要は増える可能性がある。

 重症者向けの病床が十分確保できない状況となれば、軽症者の受け入れ態勢の見直しも求められる。厚労省は2日付で全都道府県に対し、感染拡大地域での軽症者などに関して自治体の施設やホテル、自宅などでの療養を検討するよう通知した。

 政府の専門家会議はオーバーシュート(爆発的患者急増)の前に医療崩壊が予想されると警鐘を鳴らす。県は「今後も患者数が増えるという前提で医療機関同士で協議する。さらなる病床確保などあらゆるシミュレーションを行い、対応していく」としている。
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