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上山の温泉施設整備、議会が予算案否決 「財政圧迫」を問題視

2020年02月20日 11:15
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 上山市議会は19日、臨時会を開き、市が弁天地区に設ける温泉健康施設整備事業の債務負担行為を追加した2019年度一般会計補正予算案を賛成少数で否決した。施設整備に伴う市財政への圧迫などが問題視され、市の目玉事業は大きくつまずく形となった。

 温泉健康施設は、日帰り温泉、運動浴プールなどが入り、上山型温泉クアオルト(健康保養地)構想のシンボル施設。民間事業者に設計、建設、運営を一括発注するDBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式を取り入れ、設計と建設事業は国の地方創生拠点整備交付金活用も予定し、20年10月の着工、22年7月の運用開始を目指していた。予算案否決で、この日予定していた事業者の入札公告は延期となり、スケジュールはずれ込むことになった。

 債務負担行為は施設建設と36年度までの運営事業費を合わせ16億5千万円を限度額とするもので、今回の議決を経て、今後、年度ごとに事業費を予算計上していくことにしていた。

 臨時会では大沢芳朋議長を除く14人で採決し、6対8の賛成少数となった。討論では、議員から「施設整備は財政を著しく圧迫させる」「説明が足りず市民の理解が得られていない」などとする反対意見と、「市民の健康づくりや病気予防に効果が期待できる」「将来的な医療費や介護費の抑制につながる」などとする賛成意見が出された。

 横戸長兵衛市長は「温泉健康施設は、これまで議会から関連議案の可決をいただき取り組みを進めてきたが、一転して否決と判断されたことは残念。今後については、国や県など関係機関と話し合いながら検討していきたい」と話した。

 臨時会ではほかに、市有バスの物損事故に伴う損害賠償額決定の専決処分1件を報告した。

市の対応に遅れ、生まれた不信感
 【解説】上山市が進めるクアオルト構想のシンボルとなる温泉健康施設に関する予算案が否決された。市民への浸透不足と財政負担を反対の理由とする議員と、市当局や賛成議員の議論は最後まで平行線をたどった。

 温泉健康施設に関しては、住民代表者らによる検討委員会が報告書をまとめるなど、地域の意見を構想に反映させてきた。これまで議会の承認を得て計画の策定や公表、温泉の掘削を進めてきた経緯もある。

 一方、一般市民から「中身がよく分からない」などの声もあり、認知度は決して高いとは言えなかった。さらに一部議員は市当局による財源に関する説明が議案提出の直前となるなど、対応の遅れに不信感を抱き、反対に傾いたようだ。

 今回の否決で、事業スケジュールの遅れは避けられない状況だ。国からの支援が難しくなることも想定される。横戸長兵衛市長は「今後についてはさまざまな方策を検討したい」と話すが、より良い着地点を見いだすためには、市当局と議会、さらに市民を含めた早急な合意形成が不可欠となる。
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