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漁獲激減、全国でイカ漁撤退相次ぐ 本県関連3隻も、外国船違法操業後絶たず

2020年02月09日 11:45
昨年10月に行われた船凍イカの水揚げ作業。酒田港でも本年度の水揚げ量は過去最低だった昨年度の半分程度にとどまる=酒田市
 北朝鮮船など外国船の違法操業によって日本のイカ釣り船の漁獲量が激減している問題で、本県漁業者が漁労長を務める船を含め、全国でイカ漁から撤退を決めた船が相次いでいることが8日、関係者への取材で分かった。2019年度の全国の冷凍スルメイカの水揚げ量は、過去最低だった18年度の2割程度となる見通し。各船は経営状況が悪化しており、撤退によって職を失う漁業者も出る見込みだ。

 「捕れる場所があるのに外国船に奪われ、撤退に追い込まれるとは悔しくて仕方がない」。県内の漁師たちは悲痛な思いを口にする。漁労長の一人は「基本的に警告と放水しかしない日本の取り締まりでは状況は悪化の一途だ」と憤る。別の漁労長は北朝鮮船だけでなく中国船も増えているとし、イカ以外にフグやカニも外国船に取り尽くされていると実態を明かす。

 日本の排他的経済水域(EEZ)内にある日本海の好漁場・大和堆(やまとたい)周辺での外国船による違法操業は後を絶たず、漁業者への影響は深刻だ。全国いか釣り漁業協会によると、19年度の冷凍スルメイカの漁獲量は先月末までで約2820トン。18年度同期のわずか24%だ。ほぼ全船が既に今期の漁を終えている。本県漁協によると、酒田港の先月末現在の水揚げは823トン。酒田市独自の優遇措置や本県漁業者の奮闘で前年比55%に踏みとどまるが、歴史的不漁に変わりはない。

 同協会の統計では19年度に実稼働したイカ釣り船は本県関連の13隻を含む61隻。関係者によると、本県漁業者が漁労長を務める中型船だけで3隻が、漁獲量の急激な減少のためイカ漁からの撤退を余儀なくされているという。本県関連以外でも撤退または検討中の船があるとされ、「全体の1、2割が撤退するのでは」とみる関係者もいる。別の船会社に移る漁業者もいるが、乗組員などに失業者が出ることは避けられない状況だ。

 本県漁協の西村盛参事は「撤退という懸念していた事態が現実化してしまった。政府には取り締まりの徹底・強化と同時に、資金借入時の利子補給など漁業者への経済支援を求める」と訴える。

 水産庁が19年に大和堆周辺で外国漁船に行った退去警告は延べ5122隻(うち北朝鮮船が4007隻、中国船が1115隻)。前年から193隻減っている。山形新聞の取材に対し、同庁漁業取締課は「拿捕(だほ)など厳しい対応を望む声、批判は承知している。ただ、拿捕は複数の船で対応しなければならず、警告・放水の方が効率的かつ効果的との考えは変わらない。新造の船2隻を3月から日本海に配置し、取り締まりを強化する」との答えにとどまっている。
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