大沼破産、負債は30億円 本県から百貨店消える

2020/1/28 07:22

 百貨店・大沼(山形市、長沢光洋代表取締役)は27日、自己破産を山形地裁に申請し、手続き開始決定を受けた。負債総額は約30億円に上る。長沢氏は同市内で記者会見し、消費税増税に伴う売り上げの急激な減少が最終的な申請の理由とし「取引先、お客さまに大変申し訳ない」と陳謝した。日本百貨店協会によると、本県は全国で唯一、百貨店のない都道府県になった。

記者会見で苦渋の表情を浮かべて頭を下げる大沼の長沢光洋代表取締役=山形市・山形グランドホテル

長沢氏「大変申し訳ない」

 関連会社の大沼友の会(同)も破産申請した。負債総額は約3億円とみられる。両社の財産、負債は今後、破産管財人の下で処理され、取引先やテナント所有の財産は確認が取れ次第、返還される。1回目の債権者集会は6月初旬に開く予定。従業員191人は26日付で解雇された。両社は市や山形労働局に協力を求め今月末にも市内で再就職支援合同説明会を開く。

 大沼発行の商品券や友の会の買い物券は使用停止になった。満額は戻らず、国の制度に基づき還付額は額面の2分の1程度にとどまるとみられる。学校の制服など顧客が注文済みの商品は個別対応し、既に代金を支払っている場合は手元に届くようにする。

大沼の破産申請の告示書を確認する関係者ら=27日午前8時54分、山形市七日町1丁目

 記者会見で長沢氏は今月27、31日の取引先約500社への支払資金計約4億円を用意できず、大沼の破産を最終決断したと説明した。それぞれ年間1億円超のシステム維持費、駐車場費用も重荷だったとし、「資金繰りに追われ、策を打てず、なんともならなかった。320年の歴史に幕を閉じ、言葉で表せないほど重く受け止めている」と苦渋の表情を浮かべた。

 同社などによると、大沼の売上高は1993年2月期に196億円を計上したが、2017年2月期は85億円、19年2月期には74億円まで急減。同10月以降は消費税増税の影響で前年同月比30~40%減が続いた。負債総額約30億円のうち金融機関などに対する債務は約9億2千万円、従業員の退職金分は約4億円という。2月に支払う給与、退職金は資金調達のめどが立たず、未払いの一定割合を国が立て替える制度を活用するとしている。

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