サクランボをはじめ通年で果物狩りを楽しめる寒河江市で、冬のイチゴ狩りが台湾や東南アジアからの外国人観光客に人気だ。12月から翌春まで1千~2千人が訪れ、特に台湾からが多い。こうした状態は3年ほど続いており、多い時は日本人観光客の予約が難しい時も。インバウンド(海外からの旅行)進展の一方で、「全体が赤く熟したイチゴだけを食べて」というマナー周知が課題となり、対策も行っている。
同市はサクランボ、ブルーベリー、モモ、ブドウ、柿、リンゴ、イチゴの観光果樹園があり、市周年観光農業推進協議会によると、年間5万人前後が訪れる。以前から外国人観光客は来ていたが、3、4年前からイチゴの時期に増えた。
観光イチゴ園はハウス2カ所で、例年12月にオープンして6月上旬まで営業する。同協議会によると、12月から真冬にかけてイチゴ狩りができるのは県内では珍しい。入園者数は2016~17年シーズンが1万4332人で、このうち外国人は1218人だった。17~18年は入園者1万5124人のうち外国人が2132人、18~19年は入園者1万5204人のうち外国人が1582人だった。
12月~翌年2月の来場者の約8割は外国人観光客という。台湾や東南アジアからの観光客には雪が人気。少雪の今季は旅行業者から「せめてイチゴ狩りは楽しみたい」などの声が聞かれるという。昨年12月19日のオープン翌日から外国人観光客が入っており、同20日に訪れた台湾の観光客は「イチゴは大好き」と笑顔を見せた。
課題として浮上しているのは、こうした外国人観光客が、まだ一部が青いイチゴも次々と食べること。その後に熟すイチゴが少なくなり、運営に支障を来すケースがあるという。対策として今月から「おいしいイチゴの見分け方」を写真で示したペーパーを作り、会場への掲示を始めた。担当者は「少しずつ効果が出ており、今後も呼び掛けていきたい」と話している。
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