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シェフが転身、経営受け継ぐ 蔵王ペンション村、廃業検討の1軒

2019年11月17日 12:50
ペンションスイスの経営を受け継いだ福留清晃さん=上山市小倉
 上山市小倉の蔵王ペンション村で、京都から客として訪れていた福留清晃さん(43)が、廃業を検討していた「ペンションスイス」をIターンで事業承継した。京都市内のホテルでシェフとしてならした経験を生かし、山形の食材を使った料理を宿の看板にしたいとメニューを思案中だ。前オーナー夫妻の山への熱い思いや温かい料理にあこがれて通い続けた福留さんが、今度は蔵王を訪れる客を出迎える側になる。

 福留さんは京都府宇治市出身。高校卒業後、料理の世界に入り、京都市内のホテルに勤めながら、東京・西麻布の有名イタリア料理店アルポルトでも研さんを積んだ。

 ペンションスイスには10年ほど前に初めて訪れた。宿の雰囲気にほれ込み、年1度、連休を取って訪れるように。「ここに来ることを楽しみに、1年働いていた」と振り返る。2年前に前オーナーが廃業を検討していることを知り、「なくなってしまうのはもったいない」と感じた。ホテルのレストランで初代料理長を務めるなど、シェフ人生は充実していたが、料理の経験を生かし、ペンションというアットホームな空間で、客とより身近に接したいと、転身を決意した。

 今年9月の事業承継に向け、前オーナーが経営していた昨年9月から居候しながら1年の流れを学んだ。未知の世界に飛び込むことには不安もあったが、「留(とめ)さんなら大丈夫」という前オーナーの言葉に背中を押された。ペンションの取得費用などは、きらやか銀行と日本政策金融公庫山形支店の支援を受けた。

 福留さんが力を入れるのは得意分野の料理。メレンゲを樹氷に見立てた「樹氷朝食」など宿の看板になるようなメニューもできつつあり、宿泊以外に、ランチや食事会など、地元住民に向けたプランも検討する。目指すのは、前オーナー夫妻の元に通った自分と同じように、「『また帰ってきたい』と思ってもらえる第二のわが家」だ。

 オープンガーデンでも知られる同村は1980(昭和55)年にでき、今年で40年目。現在は9軒が営業し、他の2軒は売り出し中で、オーナーの世代交代の時期を迎えているという。同村観光協議会長の辻川裕信さん(55)も、福留さんと同じように10年ほど前、客として通っていたペンションを受け継いだ。他にも客がオーナーとなったケースがある。辻川さんは「オープンガーデンをさらに充実させるといった取り組みや事業承継を含め、将来的にペンション村が持続していける形を考えているところだ」と話す。
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