県内ニュース「大嘗祭」に本県特産品供える 「大変名誉なこと」「最高のもの厳選」
2019年11月15日 10:10
14日から15日未明にかけて執り行われた「大嘗祭(だいじょうさい)」には、本県を含む全国各地の特産品が供え物として納められた。一世一度限りの重要祭祀(さいし)に自慢の農水産物を提供した本県の生産者や団体からは「大変名誉なこと」と喜びの声が上がり、新たな時代の平和と繁栄を祈った。(本紙取材班)
特産物は「庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)」と呼ばれ、平成の大嘗祭では本県から大豆、リンゴ、ゼンマイ、栗、するめの5品目が供えられた。儀式では「悠紀殿(ゆきでん)」と「主基殿(すきでん)」の前にそれぞれ建てられた「庭積帳殿(にわづみのちょうでん)」に産地を東西に分けて置かれた。 JAやまがたの村上英之さん(50)=上山市八日町=はシャインマスカット10房を提供した。9月中旬から10月中旬ごろに収穫した約1500房の中から粒の大きさや形が良好なものを厳選。湿度や温度を調整して保存し、収穫時と変わらない状態を維持した。村上さんは「山形を代表し提供できるのは大変うれしく、励みになる」と喜んだ。 ラ・フランス9キロはJAさくらんぼひがしね(東根市)の大江駿斗さん(24)=同市関山=が担当。技術の高さを買われて同JAから出品を指名された。通常よりも収穫を1週間程度遅らせ、樹上で熟成させる「遅もぎラ・フランス」を手掛ける。「納得がいく品質の果実を出せた。より良いラ・フランスを作りたい」と充実した表情を見せた。 JA庄内たがわ庄内柿生産組織連絡協議会長の斎藤裕志さん(60)=鶴岡市羽黒町川代=は、庄内柿の主力品種「平核無(ひらたねなし)」20個を納めた。樹齢が100年近い、自身の畑で最も歴史ある木から収穫。「今年は天候に恵まれ、質、量とも最高の出来。『庄内柿』命名から110年の節目の年に納めることができ、うれしい」と目を細めた。 干しゼンマイ1キロを準備した県森林組合連合会の担当者は「非常に名誉なことであり、そうそうないことなので念には念を入れて納めた」。軸が太く感触の良いものを選び抜いたといい、「土地が肥沃(ひよく)でないと軸が太いゼンマイは採れない。生産者が手間暇を掛けて作った最高のものを選んだ」と品質の高さに胸を張った。 県漁業協同組合(本間昭志組合長)は、するめを納めた。酒田市の白山丸水産(斎藤厚社長)が水揚げしたスルメイカを飛島で加工。作業は島の女性有志が当たり、9月に約1週間をかけて丁寧に天日干しし、厳選した30枚2キロをそろえた。本間組合長は「みな懸命に取り組んだ。令和が平和で幸せな時代になるよう願いを込めた」と話した。
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