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「発電細菌」で養豚場の水質管理 山形東亜DKKなど開発

2019年11月10日 14:05
実証実験で効果が確認されている水質管理システム=酒田市・県農業総合研究センター養豚試験場
 有機物分解する際に電子を発生させる「発電細菌」を利用し、養豚場における排水汚れの程度を短時間で測定できる水質監視システムを山形東亜DKK(新庄市)と、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県)などの共同研究グループが開発した。管理の効率化や経費削減が期待でき、県内外の豚舎で実証実験を行いながら、来年後半の実用化を目指す。

 養豚業では周辺の水環境を清潔に保つため、浄化設備を設置し、処理排水に含まれる窒素を基準以下にする必要があり、作業の効率化などが課題だった。山形東亜DKKと農研機構を軸に、農林水産省の支援を受け、2017年度から3年プロジェクトでシステム開発を進めてきた。県農業総合研究センター養豚試験場(酒田市)や宮城県の排水処理関連企業、千葉県などの畜産研究機関も構成メンバーに入っている。

 着目したのが、畜舎の排水処理槽にも存在し、有機物分解の際に電流を発生させる発電細菌。これを電極に集め、発生した電流を測るバイオセンサーによって、水の汚れの指標となるBOD(微生物が有機物の分解に必要な酸素量)を短時間で測定するシステムを構築した。従来5日間を要していたBOD測定が6時間程度まで短縮された。

 BOD値はスマートフォンやパソコンに送られ、リアルタイムで管理者がチェックできるようにした。これにより、有機物分解に必要な酸素を注入する曝気(ばっき)操作のオン・オフが数値の高低に合わせて効率よく行え、作業に伴う消費電力の節約にもつながる。

 この夏以降、本県や熊本の養豚試験場などでの実証実験で効果が確認され、7月の水質汚濁防止法による窒素排出の規制強化にも対応できるとみている。

 本年度内に試作品を完成させ、早ければ来年後半にも150万円前後でのシステム販売を目指す。山形東亜DKKの佐々木彰社長は「IoT(モノのインターネット)を駆使し、ニーズに応えられるシステムだと思う。農業分野での市場開拓に今後も力を入れていきたい」と話している。
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