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県内爪痕、まざまざ 台風19号最接近

2019年10月14日 10:23
冠水して取り残された住民をボートで救助する消防団員ら=13日午前9時22分、川西町高豆蒄
 台風19号が本県に最接近した13日、夜が明けると、全域に及んだ影響が徐々に明らかになった。避難指示・勧告が出された地域では、旅行客も避難所へ身を寄せ、不安を抱えながら朝を待った。新たにけが人が2人出たほか、置賜地方を中心に幹線道路や農地の冠水、家屋の浸水、強風による被害などが相次いだ。山形新幹線つばさなど、一部交通機関は14日も影響が続く。

暗闇の中あっという間
 「雨がやみ、安心していたらあっという間に水浸しになった」。川西町では犬川、吉島両地区の集落が浸水し、犬川地区では腰の高さまで水が上がった5世帯約20人を置賜広域行政事務組合消防本部や米沢署、県警機動隊がボートで救出。住民は安堵(あんど)するとともに、真夜中の短時間での増水に驚きと恐怖を語った。

 浸水したのは河川の合流地点付近で、犬川地区では13日午前3時ごろ、集落の水かさが増し始めた。住民は「雨が弱まったので安心し、お茶を飲んでいたら水が上がってきた」と話した。同4時ごろには床上まで水に浸ったという。

避難所で一夜を明かし、旅館に戻る銀山温泉の宿泊客ら=13日午前6時42分、尾花沢市
 消防団員が近くの駐在所に救助を要請。住民は2階に避難して明るくなるのを待ち、救出活動は同9時半ごろに開始された。正午ごろまでに全員が助け出され、その一人の女性は「どんどん水かさが増し、不安だった。こんな水害は初めて」と話した。

 一方、尾花沢市では浸水被害はなかったものの、12日午後8時45分、銀山地区の民家19世帯62人に避難勧告が出され、約2時間後には避難指示に切り替えられた。銀山川は濁流となり、温泉旅館の宿泊客ら124人も近くの避難所で一夜を明かした。

 宿泊客は勧告を受け午後9時半ごろからバスなどで移動。対応に当たった永沢晃市商工観光課長は「もうひと降りあったら危なかったかもしれない」と振り返る。13日早朝、全員が旅館に戻り、東京から訪れた男性は「旅館で寝ようとしたら避難勧告が出た。雨の音がすごかった」と話した。

 寒河江市でも12日午後11時半に長岡山近くの3町会に避難指示が出され、9人が保育所に身を寄せた。

強風で飛ばされ、電柱に絡み付いたビニールハウス=13日午後0時31分、遊佐町庄泉
各地で農業用施設が損壊
 各地で農地の冠水や農業用施設の損壊が確認された。林道ののり面崩壊は複数箇所であり、今後増える可能性がある。

 遊佐町庄泉では農事組合法人アグリ南西部のビニールハウス1棟が強風で骨組みごと吹き飛ばされた。農機具保管用で幅約9メートル、奥行き約20メートル、高さ約3メートル。もともとあった場所から約30メートル南の電柱に絡まった。そばに民家があり、同法人の役員は「住民に被害が及ばず、本当によかった」と胸をなで下ろした。

 南陽市赤湯では白竜湖近くの農地約10ヘクタールが冠水。収穫期に入っているラ・フランスやリンゴは一部の園地で落果が見られるものの、県によると、大きな被害は確認されていない。

田畑や住宅地などが広範囲に冠水した和田川(中央)付近。上が南陽市方面=13日午前10時25分、高畠町福沢(小型無人機ドローン使用)
和田川周辺など冠水 高畠町の降水量観測史上最大
 観測史上最大の降水量となった高畠町では住宅浸水が約40戸を数えた。和田川や砂川沿いの集落は被害が大きく、国道13号など道路冠水による規制も相次いだ。砂川に架かる同町元和田の落合橋は橋脚が折れて崩落の危険性が高まり、近くの60代女性は「地域に不可欠な橋。早く復旧してほしい」と切実な声を上げた。

 大江町左沢では午前7時半以降に最上川の水が堤防を越え、川沿いの住宅、倉庫計4戸が床上・床下浸水した。倉庫の所有者の家族は「朝には雨がやんでいたから大丈夫と思っていたのに…」と肩を落とした。

 昨夏の豪雨で大規模な浸水被害を受けた戸沢村蔵岡地区では、国土交通省新庄河川事務所が基準到達前に、昨年氾濫した角間沢川の排水作業を実施。近くの30代女性は「去年のこともあり、心配で眠れなかった」と話した。

 山形市蔵王温泉では、ロッジ近くの斜面が高さ約30メートル、幅約20メートルにわたって崩落。施設1階部分などに土砂が流れ込んだ。蔵王温泉につながる主要地方道は土砂崩れと倒木で一時、全面通行止めに。米沢商業高(米沢市)の地下ボイラー室が浸水するなど、複数の学校施設への影響もあった。

最上川から水が流出し、消防団員らが土のうを積んで住宅への浸水を防いだ=13日午前10時15分、大江町左沢
 東北電力送配電カンパニー山形支社によると、9市町で最大5643戸が停電したが、13日午後2時5分までに全面復旧した。
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