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不信感あらわ…本県避難者らの声 「ありえない判決」「納得できない」

2019年09月20日 08:24
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 「いったい誰が責任を取るんだ」。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故で、福島県から本県に身を寄せる人たちは19日、東電の旧経営陣に対する無罪判決に怒りと司法への不信感をあらわにした。山形地裁では東電と国に対し損害賠償を求めた訴訟の判決が控えており、関係者からは影響を懸念する声が聞かれた。

 原発事故後、南相馬市から移住した山形市富の中1丁目、無職渡辺理明(まさあき)さん(49)は事故当時、福島第1、第2原発の作業員だった。今回の無罪判決に「今は慢性的な原因不明の病気で病院通いだ。事故の責任は一体誰が取るのか。刑事裁判で責任を追及した意味がない」と憤る。浪江町から長井市に移り、酒造りを続ける鈴木酒造店長井蔵の鈴木大介社長(46)は「今も原発事故の影響が残っている。想定外の大津波だったとはいえ、社会通念上、旧経営陣が責任を取らないのはおかしい」とため息交じりに話した。

 「ありえない判決。何らかの形で責任を認めると思っていた。ふるさとに住めず、戻れず、仕事ができない人がいる中で、無罪だと言われたら言葉がない」と、福島市から身を寄せる米沢市万世町桑山、武田徹さん(78)。原発事故の4日後に南相馬市から来た山形市荒楯町2丁目、団体職員村上サヨ子さん(50)は「無罪判決に対してどうこうという気持ちはない。ただ、二度と事故が起きないと言えるのか。原発がある限り危険性はあり、上に立つ人の責任は大きい」と語った。

 同じく南相馬市から避難した上野寛さん(54)=米沢市万世町桑山=は「当時の経営陣に責任がないなら、誰が責任を取るんだ。東電も国も責任逃れを続けていて、納得できない」と怒りをあらわにし、続けた。「責任の所在がはっきりせず、被災者の不信感はいつまでも拭われることはない」

 福島県から本県に身を寄せている人は原発事故から8年半がたった現在でも1600人を超えている。事故の避難者のうち201世帯734人が原告となり、東電と国に約80億円の損害賠償を求めた山形地裁の訴訟は今年5月21日に結審し、年内にも判決が言い渡される見通しだ。原告弁護団の弁護士の一人は、政府機関が2002年に公表し、原告側が予見性の根拠の一つとしている地震予測「長期評価」について、今回の判決が「信頼性があったとは認められない」とした点について「納得できる判断ではない」と指摘。「民事訴訟では東電と国に責任があることを認めてもらい、十分な賠償を勝ち取る」と話した。
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