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がんゲノム医療、県内で完結可能に 山形大「拠点病院」選定受け会見

2019年09月18日 08:52
がんゲノム医療拠点病院に指定されることになり、期待される効果などについて説明する山形大医学部の嘉山孝正参与(中央)ら=山形市・同学部
 厚生労働省が指定する「がんゲノム医療拠点病院」に、山形大医学部付属病院(山形市)が選ばれたことを受け、同学部は17日、同市内で記者会見を開き、医療提供方針を説明した。厚労相の指定後、同病院で専門家チームが具体的な治療法を検討することが可能となり、年内にも遺伝子検査から治療法の選択、治療までが県内で完結できるようになるとした。

 会見には医学部の嘉山孝正参与、山下英俊学部長、根本建二付属病院長、中心的に準備を進めてきた上野義之ホスピタルゲノムバンク推進委員会副委員長(内科学第二講座教授)らが出席。同委員長の嘉山参与は「(拠点病院選定で)遺伝子に応じた個別医療が推進される。県民が普通にゲノム医療に触れることができるようになる」と意義を強調した。

 拠点病院は厚労省が13日公表。東北大など全国の中核拠点病院11施設に次ぐ位置付けで、山形大など34施設が選ばれた。全国156カ所ある連携病院からの格上げとなった山形大は、病理やがん薬物療法など各専門家が遺伝子の解析結果に基づき、治療法を検討する会議「エキスパートパネル」を自らの施設で開催可能となる。県内の総合病院と連携して標準治療で回復が見込めない患者をゲノム医療で救う体制を構築する一方、院内では患者の相談窓口となる看護師の教育にも力を入れる。

 上野副委員長によると、ゲノム医療によって投薬などの有効な治療に結び付いたケースは現状で患者全体の10%程度にとどまるといい、遺伝子を集積、分析しながら研究成果を積み上げることが課題とされる。山形大では、同意を得た患者から血液などの生体資料を採取、蓄積してゲノム医療に役立てる「山形バイオバンク」も創設し、昨年6月から運用している。

講演した東京大医科学研究所教授の村上善則氏=山形市・山形大医学部
国内全体での連携必要
 県コホート研究推進会議が17日、山形市の山形大医学部で開かれ、東京大医科学研究所の人癌(がん)病因遺伝子分野教授の村上善則氏が講演、個人の遺伝情報や体質を考慮し予防と医療の最適化を図っていく重要性を強調した。

 村上氏は疾患バンク「バイオバンク・ジャパン」の研究責任者としてゲノム(全遺伝情報)医療の発展に貢献。患者の生体資料を集積するバイオバンクの意義として▽希少疾患の病因、病態の解明▽生活習慣病の遺伝・環境相互作用の解明―などを挙げた。

 病気発症の遺伝的要素と生活習慣の関係を解明するコホート研究やバイオバンクは山形大をはじめ全国各地で行われている。村上氏は、個々人に最適な治療や投薬を選択する上で研究成果の集積によるスケールメリットが重要とし「オールジャパンによる連携が必要になっていく」と述べた。
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