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鶴岡市、浄化施設でアユ養殖 処理水活用、天然物並みの香り

2019年09月15日 13:03
養殖実験で育ったアユ。天然物のような爽やかな香りを帯びた=鶴岡市・鶴岡浄化センター
 下水道資源の食分野への活用を目指している鶴岡市が、鶴岡浄化センターでアユの養殖実験に取り組んでいる。処理水が含む栄養分に注目した試みで、本年度は約2000匹を飼育。実験池で育つ藻を食べたアユは天然物のような爽やかな香りを帯びた。味の評価も上々で、ブランド化を期待する声も。市は育成方法などの検証を重ね、資源循環の取り組みを前に進める。

 敷地内に設けた約120立方メートルの実験池で今年6月に養殖を始めた。県や山戸漁協(同市)の協力で、アユが生息する川から石を運び、藻を育て、養殖アユに与えた。稚魚は3カ月で約20センチにまで成長。活用方法を探るため、今月11日に県漁協の由良水産加工場に提供した。

 「昔の川の水は処理水のように養分を含んでいた」という水産関係者の指摘が実験のきっかけになった。藻を食べる天然のアユはスイカのような特有の香りを醸す。処理水で藻が育てば、餌代を抑えながら、天然物に匹敵するアユを養殖できると見込んだ。

 処理水に地下水を加えてアンモニア濃度を抑制し、生息できる環境を整えた。発生した藻は河川で生じる褐色系と違った緑色系だったが、アユは問題なく食べた。サンプルを塩焼きで味わったという県漁協の関係者は「質が良くおいしい」と評価。素材を生かし、試験的に寒風干しなどに加工するという。

 8月に開催した下水道資源活用の勉強会でも、試食した県内外の出席者が絶賛。「処理水の活用が資源循環になっているという、プラスイメージにつなげたい」「ブランド化の可能性もある」と指摘した。

 下水処理施設の処理水や汚泥には窒素やリンといった養分が含まれている。こうした資源を農業に活用する取り組みを国土交通省は2013年から、「ビストロ下水道」と称して推進している。鶴岡市も山形大やJA鶴岡などと連携し、処理水を利用した資料用米栽培、排熱によるハウス栽培などを積極的に展開してきた。

 アユについて、市は藻の発生の調整方法など検証を続ける。「天然物と遜色ない養殖が実現できるかもしれない。育てたアユの活用策も考えたい」と市下水道課。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の食文化創造都市に認定されている鶴岡市で、下水資源を生かしたより良い食の循環を見いだしていく。
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