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自殺者減るも…増える相談 山形いのちの電話「人手足りない」

2019年09月14日 10:01
自殺を考える人の相談窓口「いのちの電話」に寄せられる件数は増加している=県内
 県内の自殺者数は2018年、平成以降最少となった。一方で自殺を考える人などの相談窓口「山形いのちの電話」への相談件数は15年以降、毎年約100~300件増え続けている。人間関係が希薄になる中、誰にも言えない深刻な悩みの受け皿となっている現状が浮かぶ。しかし現在、事業に不可欠な相談員が足りない事態。今年の新規募集も定員20人に対し3人で、相談員の確保が急務だ。

 「仕事に就けず生活が苦しい」「夫婦仲がうまくいかない」。山形いのちの電話に寄せられる相談のうち、自殺傾向とされるのは1割に満たない。しかし悩んで行き場をなくした人と共に向き合い、否定せず聞いてくれる他者の存在は貴重だ。相談件数は15年に6千件を超えてから増え続け、昨年は6615件だった。

 相談は毎日午後1~10時(毎月10日は午前8時~翌午前8時)。現在は30~80代の相談員86人がボランティアとして活動している。引退する相談員もいるため、常時100人ほどが理想。新規相談員を今年も20人募集しているが、今月の締め切りが迫る中、応募は3人にとどまっている。永沢孝事務局長は「専門知識は要らない。十分な養成講座を経て現場に出るので、安心して申し込んでほしい」と呼び掛ける。

 講座は月2回程度で、約1年半。精神医学や心理学の講義や受講者同士で話し合う実習を通し、人の相談に耳を傾ける手法を身に付ける。活動が始まった後も、精神科医や臨床心理士が同席する月1回の研修で、相談業務上での課題を同僚と共有することもできる。

 こうして培った「傾聴」の技術は、相談員自身の人生にも変化をもたらすという。子育てに生かされていると話すのは40代女性。小学生の息子が言うことを聞かずにいらだった時、一呼吸置いてどう話せば伝わるかを考えるようになった。定年後に相談員になった男性陣からは、介護中の親や妻の話が聞けるようになったとの声があるという。

 県によると、10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は15年以降減少しているものの、昨年の18.1人は依然高い水準で全国ワースト8となっている。統計では県内の自殺者の約8割に同居者がいたという。近くの家族より、電話口の隣人が命を救う場合もある。相談員養成講座の申し込みは今月16日が締め切りとなっているが、山形いのちの電話事務局は急きょ23日まで対応することとした。問い合わせは事務局023(645)4377まで(平日のみ)。

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