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風評払拭へ「大丈夫」発信 本県沖地震・観光復旧に全力

2019年06月22日 07:48
源泉の供給が再開し、温泉の温度を確認。営業再開に向けて、着々と準備を進めている=21日午後0時46分、鶴岡市湯温海・温海荘
 本県を襲った地震発生から4日目の21日、鶴岡市沿岸部などでは復旧作業が進んだ。庄内地方の観光スポットや温泉街は海水浴シーズン目前に打撃を受け、サクランボのシーズンを迎えた内陸部でも客足に影響が出始めている。風評や余震への懸念を払拭(ふっしょく)するように観光関係者は「県内観光は大丈夫」と安全、安心をアピールし、「ぜひ、足を運んでほしい」と声をそろえている。

【あつみ温泉】
 あつみ温泉では21日夕までに全ての温泉施設への源泉供給が再開し、7月からは全ての旅館が営業再開できる見込みだ。アユ釣りや海水浴のシーズンを前に、各旅館とも復旧の道筋がついた。あつみホテル「温海荘」では正面玄関の屋根瓦が落下する被害で済んだ。あつみ観光協会長を務める若松邦彦支配人は「再開できるところから通常営業を始め、『あつみ温泉は大丈夫だ』とアピールする」。

 東屋旅館の佐藤容介館主は「安心してもらうには時間は多少かかるかもしれないが頑張る」と話す。廊下の土壁が崩れ落ちるなどした「かしわや旅館」は今月末には修復が完了予定。斎藤武大社長は「再開に向けて全力を尽くし、地域を盛り上げる」と語った。

【鼠ケ関・民宿】
 鼠ケ関地区の民宿は海開きに向け、宿泊客の受け入れ体制を整える。「丸武」は予約のキャンセルはあったものの、オーナーの佐藤国光さんは「売りの新鮮な魚も届き、影響はない。大きな余震がないことを祈るばかりだ」と話す。「しおさい荘」の佐藤良治さんは「例年これから予約が増える。いつも通りにお客さんを迎える」と前を向く。同市早田の道の駅あつみ・しゃりんは、利用者が例年より2~4割減ったが「地元食材を買って応援したい」と訪れる県外客も多い。矢口泉支配人は「海開きに向け、地域全体で協力して復旧を進めたい」と話した。

【湯野浜温泉】
 海水浴シーズンを控える鶴岡市の湯野浜温泉。同温泉旅館協同組合によると、今週末は宿泊のキャンセルも出ているが各施設で建物被害はない。来月12日には予定通り海開きが行われ、花火大会などのイベントも企画。同温泉観光協会の筒井重浩会長は「例年通り、観光客を迎える準備を進めている」と話した。

ショーで元気いっぱい技を見せるアシカに観客は拍手を送っていた=21日午後1時49分、鶴岡市立加茂水族館
【加茂水族館】
 鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)は地震発生後も通常営業を続けている。奥泉館長は「クラゲたちも普段通り元気いっぱい。庄内を活気づけるためにも足を運んでほしい」。

外国クルーズ船、予定通りに寄港・酒田
 酒田市内は建物被害などが少なかったが客足に影響は出ている。松山観光バス(同市)では地震翌日から首都圏からのツアーなど団体のキャンセルが続き、今後の予約が止まったことを懸念する。池田新専務は、旅行会社などに働き掛ける準備を進めている。

 23日開催予定の「酒田ととけん応援まつり」は多くの幼児の参加が見込まれるため、中止を決定した。

 一方、外国クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は予定通り23日に酒田港古湊ふ頭に寄港する。乗客やもてなしの市民、見物客が安心できるよう、当日はふ頭の4カ所に複数の避難場所を示した看板を設置。最寄りの一時避難場所までは徒歩10分程度で、万が一に備えた避難誘導手順も確認した。

宿泊や舟下り、内陸部でもキャンセル発生
 本県農産物の顔・サクランボは収穫最盛期を迎え、観光果樹園も書き入れ時を迎えている。生産量日本一の東根市では市観光物産協会に、県外客から「週末に果樹園を訪れたいが大丈夫か」など問い合わせが複数あった。今週と来週の土・日曜日がピークとなり、同協会の担当者は「全体的に影響は少ないが、風評被害は心配だ」と語る。

 同市東根で「本間果樹園」を営む本間繁雄さんは「今のところ影響はない。予約のキャンセルもない」。一方、別の果樹園主は「例年に比べ客足は少ない。地震の影響だけでなく天候もあると思う」と語った。

 最上川舟下りを運航する最上峡芭蕉ライン観光(戸沢村)は、庄内地方に宿泊し、舟下りを楽しむツアー客を中心に数百人がキャンセル。同社担当者は「昨年の豪雨後もしばらく客足は遠のいた。風評被害が長引かないか不安だが、県内観光は大丈夫だとアピールすることが必要」と話す。

 県によると、20日までの聞き取りで、温泉旅館はあつみ温泉を除く県内全域で数十件のキャンセルがあった。大半は庄内地方だが、最上、村山両地方でも影響は数件確認された。県旅行業協会の話では、県内旅行業者への聞き取りで、学校関係の村山地方から庄内地方への日帰り旅行などの延期が5、6件あるという。

 山形市では22、23の両日、「日本一さくらんぼ祭り」が開かれる。特設ホームページで祭りが予定通り開催されることや、県内の観光果樹園が通常通り営業している点を強調。10月には大型観光キャンペーン新潟・庄内エリアデスティネーション・キャンペーンが控え、県観光立県推進課は「(風評被害を防ぐには)県外からの観光客に山形の良さを実感してもらい会員制交流サイト(SNS)などで発信してもらうのが一番。日本一さくらんぼ祭りを県内全体の観光PRにつなげたい」としている。

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