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【2019統一選】戦い振り返って(2) 県議選8選挙区

2019年04月08日 07:24
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 県議選は7日、投開票が行われ、無投票当選の9選挙区17人を含む全43議席が確定した。選挙戦となった8選挙区では26議席を巡り、37人がしのぎを削った結果、現職17人、新人9人が当選した。選挙区ごとに候補者の戦いぶりを振り返る。(敬称略)

【酒田市・飽海郡区】新人阿部、トップ当選
 前回の無投票から一転、5議席を8人が争った県内最大の激戦は、唯一の女性候補となった無所属新人阿部ひとみがトップ当選した。前々回トップの立憲民主現職石黒覚が労組票を着実に固め、僅差で2番手に付けた。自民新人梶原宗明は終盤で組織をフル回転させて追い上げ初当選し、自民現職の森田広と星川純一が当選圏に入り、ともに6選を果たした。無所属新人の伊藤利明は現職の固い地盤に食い込めず、無所属新人市村浩一と共産新人吉田武は広がりを欠いた。

 阿部は市議時代に同じ会派だった市議や勇退する現職佐藤藤弥の支援を受け、地盤の酒田市新堀をはじめ、全域で着実に集票して現職の支持層を切り崩した。唯一の女性候補として無党派層も取り込んだ。

 石黒は、ともに連合山形の推薦を受けた新人出馬で労組票の行方が注目される中、各組合とのつながりの強さと先んじた動きで優位に戦いを進めた。県代表を務める立民への期待票も集め、存在感を示した。

 梶原は、支持層が重なる現職と新人との票の奪い合いに序盤は苦戦したが、市議時代の後援会と建設業界などによる選対が終盤に向けて動きを活発化。新たな人材を期待する保守系の支持を集めた。

 森田は支持層が重複する複数の新人出馬に早くから危機感を強め、5選で重ねた実績をアピール。支援企業や商工・建設業などの団体を核に築いた組織を引き締めて底力を発揮し、切り崩しを阻止した。

 星川は地盤の酒田南部から出馬した新人の攻勢を受けながらも、5期20年で築いた人脈を生かし、支持者一人ずつを固めた。出身である自衛隊のOB・保護者組織などとも連携し、滑り込んだ。

 伊藤は参院議員舟山康江や元衆院議員の阿部寿一、和嶋未希らの応援を得た。1月末の出馬表明後、激しく追い上げたが、現職の地盤と労組の結束を崩せなかった。応援者の支持層にも浸透し切れず涙をのんだ。

 市村は市議や青年会議所理事長時代の人脈を軸に、若者を意識した政治・投票参加の草の根運動を展開したが及ばなかった。

 吉田は消費税増税反対など党の政策をアピールし、現政権への批判票の獲得を目指したが、党支持者以外への広がりを欠いた。

【鶴岡市区】佐藤聡、厚い支持基盤
 自民現職の佐藤聡が厚い支持基盤に支えられ、前回に続きトップで再選を果たした。自民の志田英紀も組織力で現職最多に並ぶ7選を決め、無所属の高橋淳は旧東田川唯一の候補として存在感を発揮し、初陣を飾った。無所属新人の今野美奈子は中心部の浮動票などを得て勝利し、共産現職の関徹は組織を固めて前回奪還した党の議席を守った。自民新人の佐藤久樹は出遅れなどで保守層の支持をまとめきれず、涙をのんだ。

 佐藤聡は地元西郷や櫛引のほか、支援市議や公明、企業・団体とのつながりを生かし、青年、女性など幅広い層から支持を得た。票の流出を警戒して終始陣営の引き締めを図ったことも得票に結び付いた。

 志田は、議長の公務と並行しての運動となったことから、合併前の旧市町村ごとの後援組織をフル稼働させた。地盤の温海のほか、市街地をきめ細かく回り、商工業者などの支持層をそつなくまとめた。

 高橋はJA庄内たがわ出身の経歴を生かし、農業関係を中心に集票。連合などとの共闘で地元藤島をはじめ旧東田川に浸透し、勇退する阿部昇司、阿部信矢の支持層を取り込み、旧市部でも一定の支持を得た。

 今野は、旧市部の地元自治組織や市議時代からの支持層を中心に、草の根運動を繰り広げた。唯一の女性候補としての存在感を全市的に訴え、市街地の無党派層の支持を得ることにも成功し、初陣を飾った。

 関は党地区委員会を中心とした組織戦を展開。政権批判を交えた演説を繰り広げて非自民層の受け皿をアピールした。地域的な地盤が重なる新人の切り崩しを受け、前回より票数を落としたが、滑り込んだ。

 佐藤久は地元大泉、湯田川など旧市南部や農村部を中心に支持を訴えた。序盤の動きの鈍さから危機感を持って演説会を重ね、阿部信支持層への浸透も進めたが、広がりを欠き、保守票を十分取り込めなかった。

【長井市・西置賜郡区】青木、全域から非自民票
 従来の長井市区と小国、白鷹、飯豊3町の西置賜郡区が統合された新選挙区の2議席を巡る戦いは、白鷹が地元で全域から非自民票などを集めた無所属現職青木彰栄がトップを飾り、地元の大票田・長井の票をまとめた自民新人五十嵐智洋が続いた。白鷹から出た自民新人竹田良則は善戦したが、広い選挙区の中で浸透し切れなかった。

 各陣営とも地盤に加えて他市町での票の掘り起こしを狙って激しい前哨戦を繰り広げ、特に2人が出た白鷹町は盛り上がりを見せた。一方で県議選で20年ぶりの選挙戦となった長井市は投票率が60%に届かなかった。

 青木は知事吉村美栄子や参院議員舟山康江の後援会と連動。知名度の高さに支援企業の動きの良さも加わり着実に集票した。白鷹では最上川以西などで支持を固め、他市町でも非自民票の受け皿となった。

 五十嵐は「長井唯一の候補」を前面に出す戦略が奏功し地元で幅広く浸透。衆院議員鈴木憲和、勇退する現職平弘造の加勢も得て保守層をまとめ、施設長をしていた福祉関係の人脈も生かし、出遅れを挽回した。

 竹田はのぼりやつじ立ちなどで若さをアピール。自民支持層や商工関係者の支援を得て、小国や飯豊では知名度不足を覆して青木に迫る健闘を見せた。ただ地元白鷹や長井では他候補の地盤を切り崩せなかった。

【東置賜郡区】舩山、島津が地盤死守
 川西町を地盤とする自民現職の舩山現人が町内から7割を超す票を得て6選を決め、同じく自民現職の島津良平は地元高畠町を手堅くまとめ、3選を果たした。無所属新人の山木由美は両町から集票したものの現職2人の厚い壁を崩せず、無所属新人の鈴木清左衛門は広がりに欠けた。

 舩山は序盤から川西町代表の立場を鮮明にし、町内の支持基盤を固めた。「川西から県政の灯を消すな」と高畠町の候補者に議席を独占される危機感を地元有権者に訴えて票を上積みし、トップ当選した。

 島津は高畠町長寒河江信と町議9人の分厚い支援態勢で地元高畠地区を中心に地盤を死守した。国と県、町をつないできた2期8年の実績を強調し、町内から出馬した新人候補の追い上げを抑え込んだ。

 山木は非自民勢力を結集し、唯一の女性候補をアピールして草の根運動を展開。両町から現職批判票や女性票を取り込んだが、告示2カ月前の出馬表明による出遅れと知名度不足が最後まで響き及ばなかった。

 鈴木は現職への批判票を集める戦略が崩れ、支持を広げられなかった。

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