「最上川200キロを歩く」第10週は16日、グリンギターフィールズ子どもギター教室(鶴岡市)の2~6年生10人が担当した。たまに雨がぱらつく天候だったが、元気良く足を進めた子どもたち。洪水を防ぐ施設を見学し、堤防の除草に使う機械を操作するなどして、水害への備えの大切さを再認識した。
最初に訪れた最上川さみだれ大堰(おおぜき)は全長209.5メートルのゴム堰で、子どもたちは川床を安定させて洪水を防ぐことと、農業用水を確保することを目的に造られたことを学んだ。大堰の地下にあるフィッシュギャラリーでは、大雨の影響で水が濁っていたものの、ガラス越しに約30センチのウグイが見えると「大きい!」「すごいすごい」と歓声を上げていた。
見学後は最上川の雄大な流れを前に、ギターの素朴で心地よい音色を響かせた。演奏を終えると「最上川さんありがとう」と声を合わせ、母なる川がもたらす恵みに感謝した。
二段割樋門では、住宅地などへの水の逆流を防ぐ樋門の開閉操作をするハンドルを回すなどして、洪水から町を守る施設の役割を知った。
カートソレイユ最上川には、遠隔操作の草刈り機や排水ポンプ車、照明車といった働く車が大集合。実際に草刈り機を操作し、堤防がきれいになると川の増水時に水防活動がしやすくなることを実感した。
体験や見学を通じ、最上川について理解を深めた子どもたち。日々の安全な暮らしを支える人々やさまざまな施設の存在を心に刻んだ一日になった。