「最上川200キロを歩く」第8週は2日、大石田町大石田南小の5、6年生19人が挑戦。堤防の役割や最上川舟運の歴史、河川管理の仕事に触れた。うだるような暑さの中で歩みを進めた子どもたち。一つ一つの体験が、郷土の母なる川との距離を縮めた。
同校はおととし7月の豪雨時に避難所として使用され、児童の自宅近くを流れる最上川も水があふれそうになったという。この日、かつて舟運最大の中継地だった大石田河岸付近では、土とコンクリートの囲い壁を併用した特殊堤防の説明を受けた。児童は自然の“怖い顔”も知るだけに真剣な表情で聞き入った。「対策はしているが、いざというときは避難できるよう家族に伝えて」。国交省担当者の説明にうなずいた。
浸水時の迅速な復旧に活躍する排水ポンプ。ポンプ車1台に搭載可能な四つのポンプを稼働すると、25メートルプールを10分で空にできるという。排水の実演では、堤防の内から外へと大量の水が流れ出る迫力に、児童の歓声が上がった。
最上川支流の丹生川河川敷では、各種工事に使用される重機や、堤防の雑草を刈る無線操縦の除草機、測量機の操作方法を体験。河川の地形のデータ収集に活用するという小型無人機ドローンの操縦にもチャレンジし「面白い」「こういう仕事があるんだね」。川や地域を守っている人々や技術の存在を肌で感じ取った。