「最上川200キロを歩く」の第3週は28日、長井市子ども会育成会連絡協議会の4~6年生10人が担当した。利水や治水などダムが持つ多面的な役割、水害から暮らしを守る施設などを見て、体験して学んだ子どもたち。時折強い風が吹きつける中でも旺盛な好奇心は尽きることなく、最後まで元気に歩を進めた。
長井ダムは2011年に完成し、参加した10人とはいわば“同世代”だ。この日は普段入ることのできない監査廊を通り、堤体を下から望む広場へ。エレベーターで約100メートル下に降りると、監査廊内が青のイルミネーションで彩られていた。特別な演出が子どもたちの心を一層躍らせた。
「すごーい」。県内一の高さ125.5メートルを誇るダムから勢いよく水が流れ落ちる様子は迫力十分。スケールの大きさに目を丸くするとともに、担当者の説明に耳を傾け、洪水調節や農業・水道用水、水力発電などに活用される多様な役割に理解を深めた。
長井市中心部に近い最上川沿いでは、増水時に居住地側への逆流を防ぐ樋管の操作を体験。水質検査では魚がすみやすい環境かを調べたり、透視度計で濁りの具合を確かめたりし、川をきれいに保ち続けることの大切さを改めて考えた。
川沿いのフットパスを進み、飛び石も軽やかに渡りきった子どもたち。自らが住む街の発展をもたらした「母なる川」の多面性に触れ、新たな気付きと実りのある探検となった。