「最上川200キロを歩く」が14日、米沢市の最上川源流域を出発点に始まり、同市のNPO法人つくしんぼクラブの2~4年生13人が探検の先陣を切った。子どもたちは洪水から街を守るための工夫や先人の苦労に触れながら、きれいな川を維持する大切さを肌で感じた。
クラブに隣接して立つ、上杉家重臣・直江兼続ゆかりの愛染明王堂に見送られ、向かったのはその兼続が江戸時代に築いた直江石堤。人の力で一つ一つ積み上げられたという大石は、雨で湿って重厚さを増す。子どもたちはごつごつとした石を慎重に踏み締め、歴史の長さと昔の人たちの努力を感じ取った。
治水の重要性は昔も今も変わりない。河川が増水した際に水が逆流するのを防ぐ樋管では、ゲートの開け閉めを体験。土のう作りでは、土の重さと運搬の大変さを身をもって実感し、機械のない時代の苦労にも思いをはせた。河川近くに設置された資材倉庫では備えの必要性も確認した。
途中ぱらついた雨も吹き飛ばすように、児童らは元気に歩を進める。水質検査ではわずかな飲み物を捨てるだけでも、川や生き物に大きな影響があることを知った。堤防沿いで見つけたフジや菜の花、ダンゴムシ、雄大な最上川を守っていくのは自分たち。学びを得た子どもたちは、疲れた足で最後は駆け出し、笑顔で次週にバトンをつないだ。