あるどごさ醤油屋あっての、とっても繁盛したけど。それはメー升、オー升ていう升使って高ぐ醤油売っていだからだけど。その升は、普通のより少し小ちゃぐした升だけど。
その醤油屋さ、メオスていう女の子供生まれだけど。とってもめんごい子で一人子でもあったさげ、大事して育ででいだけど。ある年、その子かぜひいで、どんどん悪ぐなってついに死んでしまったけど。母親と父親おもしぇぐなぐで、毎日泣ぎながら墓まいりしたけど。
ある日の夕方、母親墓さお参りしていだば、赤鬼、青鬼達出はってきて、炭俵がら炭(※)もんと出してがんがんと火おごしてから「メオス出でこい」て大声で呼ばったけど。したば墓の下からメオス、すうっと出はってきたけど。赤鬼達「お前の親達、メー升、オー升使って醤油ずるぐして売ったさげ、その罰だぞ」て(※)赤ぐおぎだ炭の中さ、メオスをごんとほり投げだけど。火あぶりされだメオス「ギャア」て叫ぶけど。母親「やめてくれ、やめてくれ」て言ってもきかねけど。鬼達「またあした来っぞ」て言ったば、母親ぱっと目覚めて、子の火あぶりは夢だどわかったけど。
これはずるくして金もうけした罰だと悟って、父親ささっそく話して、メー升、オー升は次の日がらやめで、少し安ぐして売るようしたけど。
トンピンカラリネッケド。