昔々あるどごさ、ばあさんと息子いで、息子年ごろなったさげ、隣村から嫁もらったけど。夫婦仲よぐかせいだども一年たっても、2年たても赤、生まれねけどや。
ばあさん、気もんで「困ったちゃ、困ったちゃ。赤生まれねぐで、どうしたらいいもんだが」て、あっちこっち聞ぎさ行ったば、ある人がら「(※)大網の七五三掛の地蔵様は、子授げの(※)あらだな地蔵様ださげ、行ってみれ」て言われだけど。
ばあさん喜んでそれがら毎日、雨の日も風の日も地蔵様さお参りして「どうがおら家の嫁さ赤1人授げでもらいで」てお願いしていだけど。何カ月したば、だんだん嫁の腹大っきぐなってきたけど。みんな「えがった、えがった」て言っているうぢ、とうとう玉のようだ赤生まれだけど。
みんな大喜びしているうぢ、お参りしていだばあさんの腹もだんだん大っきぐなってきたけど。こんどはみんなびっくりしているうぢ「オギャー」てめんごい赤生まれできたけど。
みんな「これは、これは」て(※)おぼげだども、「赤、一度に2人も生まれだなは、おめでてごどだ」て、2人の赤、大事に大事にして育ででいったけど。
子授げ地蔵様、ますますはやるようなったけど。トンピンカラリネッケド。