わいわい子育て

世界の子育て

韓国編 設楽美穂さん(寒河江市)

2020年12月1日掲載
やまがた花笠まつりに参加した設楽さん(右)と、民族衣装を着た玲菜さん=2014年、山形市
やまがた花笠まつりに参加した設楽さん(右)と、民族衣装を着た玲菜さん=2014年、山形市

 県内で暮らす海外出身者に母国の育児事情などを紹介してもらう「世界の子育て」。今回は韓国・釜山市出身の設楽美穂(本名・チョンヒョンジュ)さん(38)=寒河江市=に聞いた。

 設楽さんは会社員の夫(51)と玲菜(れな)さん(14)、佳里南(かりな)ちゃん(11)、結南(ゆいな)ちゃん(9)の3姉妹、義両親の7人家族。中学生の頃にテレビで日本のプロ野球を見たのがきっかけで、日本に興味を持つようになった。高校や大学では日本語を学び、日本文化に親しんだ。結婚を機に2005年に来日。子育てしながらネイリストとして働き、現在は東北文教大国際センター職員として留学生支援などを担当している。

出産・産後―無痛分娩が一般的

 出産時は無痛分娩(ぶんべん)が一般的だ。産院には3日ほど入院した後、産後ケア施設「チョリウォン」で2週間から1カ月過ごす。母子をサポートする施設で、ママがマッサージを受けられたり、夜間に赤ちゃんを預かってくれたりし、母親が体の回復に努める。

子どものお祝い―1歳の誕生日を盛大に

 1歳の誕生日を盛大に祝う。子も親も正装し、親戚や友人、会社の同僚を呼んでパーティーをする。その時、子どもが何をつかむかで将来を占うイベントをする。親の願いをいくつか決めて、聴診器や鉛筆、綿の糸、お金を並べ、「聴診器をつかんだら医者になる」「綿の糸は長寿だね」と盛り上がる。

保育園・幼稚園―無料、みんな入園可能

 3歳になると保育園に入る。保育料は無償で、よほど園にこだわらなければみんな入園できる。専業主婦で「家で保育する」という家庭は助成金が受け取れる。満6歳の3月から小学校に入学する。入学前の1~2年は小学校の学区内の幼稚園に通う。

学校教育―小学生、校内で習い事できる

お茶目な笑顔で写真に納まる(左から)玲菜さん、結南ちゃん、佳里南ちゃん=2015年、栃木県
お茶目な笑顔で写真に納まる(左から)玲菜さん、結南ちゃん、佳里南ちゃん=2015年、栃木県

 義務教育は小学校6年、中学校3年。小学生は放課後、校内で低料金の習い事ができ、バイオリンや美術、体操などを選べる。釜山の場合、日本でいう学童保育のような保育施設は無料。小学校高学年になると、ほとんどの児童が学習塾に通ったり、本格的な習い事を始めたりする。

大学受験―高学歴狙い過熱

 高校受験があるのは科学や語学で優秀な生徒が行く「特殊目的校」のみ。他の生徒は普通科高か実業系高を選択して希望を出し、行政側が通う高校を学区内で調整して決める。

 大学進学は7割以上。大学で学歴が決まるので、入試「大学修学能力試験」で高得点を取って希望大学に入ろうと受験が毎年過熱している。設楽さんが中高生の頃は、昼と夜の弁当を二つ持って行き、学校には塾のバスが迎えに来ていた。

家族―上下関係きっちり

 儒教がベースにあるので、親を重んじ、身内を大切にする文化。上下関係はきっちりしていて、きょうだいでも名前で呼び捨てにせず、名前に敬称を付ける。一方で、地方でもほとんどが核家族。親が高齢になると、子ども家族が近くに住む場合も多い。

 韓国は結婚しても女性の姓はそのままで変わらない。生まれた子どもは父親の名字になるため、「男の子を産みなさい」という圧力のようなものがある。設楽さんは娘を連れて道を歩いていた時に、知らない人から突然声を掛けられ、びっくりしたという。

 働く女性は出産を機に辞める人が依然として多く、「経歴断絶女子」と呼ばれて社会問題になっている。男性の育休も呼びかけられているが、まだまだといった印象。それでも設楽さんの親世代よりは「父親は仕事、母親が家庭」という考え方は薄れつつある。

母国料理―韓国風わかめスープ「ミヨクッ」

 産後の滋養食としてもよく知られ、誕生日などイベントの定番メニュー。ワカメをとろとろになるまで柔らかく煮込む。3姉妹はごろごろっとした牛肉が入っているのが好み。

韓国風わかめスープ「ミヨクッ」
韓国風わかめスープ「ミヨクッ」

◇材料(4人分)

乾燥ワカメ20グラム、牛肉(カレー用、切り落としでも良い)200グラム、ニンニク(みじん切り)大さじ1、ごま油大さじ3、しょうゆ大さじ2、麺つゆ大さじ2、塩少々、水2リットル

◇作り方
  • (1)乾燥ワカメは水につけて戻し、水を切っておく。牛肉は好みの大きさに切る。
  • (2)鍋を熱して、ごま油を入れ、牛肉を炒める。肉の色が変わったら、ニンニクを入れる。
  • (3)鍋に戻したワカメ、塩を入れて炒める。
  • (4)しょうゆ、麺つゆを入れ、満遍なく混ぜた後、水を入れて強火にする。
  • (5)沸騰したら中火に弱め、ことことと30分ほど煮込む。塩気が足りなければ塩を足し、味を調える。

設楽さんの子育て、韓国に触れさせる

 韓国のアイデンティティーも持ってほしいから、小さい頃からハングルの絵本を見せたり、韓国語の歌を聴かせたりしてきた。幼稚園の頃は釜山に1~2カ月滞在したこともあったが、小学校に入ってからは春休みに2週間ほどしか韓国に行けない。山形では韓国語を使う機会が少ないので、せっかく覚えて会話ができるようになっても次第に忘れてしまうのが残念だ。

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