わいわい子育て

世界の子育て

ベトナム編 ホアー・トゥンさん(米沢市)

2019年7月30日掲載

 県内で暮らす海外出身者に、母国の育児事情や家族観を紹介してもらう「世界の子育て」。今回はベトナム出身のホアー・トゥンさん(32)=米沢市=に聞いた。

ホアー・トゥンさん(中央)と毘裕君(右)、遥紅ちゃん(左)=6月30日(トゥンさん提供)
ホアー・トゥンさん(中央)と毘裕君(右)、遥紅ちゃん(左)=6月30日(トゥンさん提供)

 トゥンさんは会社員の夫(50)、長男毘裕(ひいろ)君(5)、長女遥紅(はにい)ちゃん(3)と4人暮らし。ベトナムの自動車部品工場で働いていた際、米沢市にある親会社から出張で訪れていた夫と出会った。2012年に結婚し、同市へ。現在はソフトウエア関連会社で働く。毎月第2、4土曜日は県国際交流協会(山形市)でベトナム語の相談員を務めている。

■結婚、妊娠、出産―産後6カ月でフルタイム

女性は仕事が安定する25歳ぐらい、男性は30歳前後で結婚する人が多い。ほとんどの人は結婚後、どちらかの両親と同居する。

トゥンさん自身は6人きょうだいだが、最近は2、3人きょうだいが一般的。子どもが生まれたら、男性は勤務先から5日間の休日をもらえるという法律が5年ほど前にできた。予防接種や病気になったときは、仕事を休んで親子3人で通院するなど、男性も子育てに積極的に関わっている。

基本的に産後6カ月でフルタイム勤務に戻る。同居の両親やベビーシッターが子どもの面倒を見ることが多い。子育ては夫婦だけが頑張るのではなく、一家で力を合わせるのがベトナム流。

■保育園、学校―小学校では昼寝の時間も

子どもは1歳半で保育園に入る。最近は各教室にカメラが設置してあるため、親はスマートフォンを通して随時、わが子の様子を見ることができるそうだ。

満6歳で小学校に入学し、5年間通う。親がバイクで送り迎えをするのが基本で、3人乗りも当たり前。昼で下校する学校もあるが、給食付きで夕方まで学ぶ学校では1時間ほど昼寝をし、午後5時ごろまで授業を受ける。卒業後は中学校に4年間、高校に3年間通う。

■食事事情―週に何度か屋台

学校の周りには朝5時ごろから開いている屋台が並ぶ。1週間に数回は通学途中に立ち寄り、家族で朝食を取る。そうめんのような麺にスープをかけて食べる「ブン」や、野菜や肉を挟んだフランスパンは1食100~150円。安くておいしい上に朝食を作る母親の負担を軽くできるので、みんなが利用している。

■家族愛―週末に集まり食事

ベトナムでは結婚して家を離れても、週末に家族やきょうだいが集まって食事をすることが多い。子どもたちは小さいうちから家族の愛情に包まれているからか、ゲームをしたり友達と遊んだりするよりも、家族と過ごす時間を大切にしている。

食事の準備や洗濯を手伝うのは当たり前で、トゥンさんも小さい頃から母親が切り盛りする飲食店の手伝いをしていたという。「お小遣いがもらえるからじゃなくて、育ててもらっているから手伝うのは当然」と話す。

■トゥンさんの子育て―優しい子に育って

共働きのため、平日はいつもバタバタしているというトゥンさん。ある日、毘裕君の口から聞こえてきたのは「ヒイロ、トゥーン、ママ(毘裕はママが大好き)」。「僕がベトナム語でしゃべったら、うれしいでしょ」という優しい言葉に「疲れも吹き飛んだ」と笑顔を見せる。毘裕君も遥紅ちゃんも、母国の家族が呼びやすいように、英語の「HERO(ヒーロー)」「HONEY(ハニー)」と関連づけた。「優しい子に育ってほしい。そして、自分が生まれ育った国の言葉を少しずつ伝えていきたい」とトゥンさんは話した。

昨年の正月はベトナムに帰省し、民族衣装のアオザイを着て記念撮影
昨年の正月はベトナムに帰省し、民族衣装のアオザイを着て記念撮影

ベトナム中部に伝わる「揚げ春巻き」

 材料は日本のスーパーでも簡単に手に入るが、ベトナムの魚醤(ぎょしょう)ニョクマム(ヌックマムともいう)がない場合はナンプラーを使う。大人はチリソースやスイートチリソース、カラシじょうゆを付けてどうぞ。子どもはケチャップで。トゥンさんは「サラダ菜などで包んでもおいしい。ビールのつまみにも最高。ぜひ作ってみて」と話す。

揚げ春巻き
揚げ春巻き

◇材料(4人分)

ライスペーパー(16センチ)20枚、豚ひき肉(合いびき肉でも可)300グラム、むきエビ150グラム、乾燥キクラゲ8グラム、春雨40グラム、卵1個、ニンニク1~2片、揚げ油適量、調味料(ニョクマム大さじ1、塩ふたつまみ、こしょう少々、粉末カツオだし小さじ1、砂糖小さじ1、しょうゆ小さじ1)

◇作り方
  • (1)春雨とキクラゲは水で戻しておく。キクラゲとニンニクはみじん切り、春雨は5センチくらいに切っておく。むきエビは小さめにぶつ切りにする。
  • (2)ボウルにひき肉、エビ、キクラゲ、春雨、ニンニク、卵、調味料を入れてよく混ぜる。
  • (3)別のボウルに水を入れ、ライスペーパーをさっとくぐらせて全体をぬらす。少し軟らかくなったらまな板の上に広げ、中央より少し手前に(2)を置く。左右を折り込んでから、具がはみ出さないようにくるくる巻く。
  • (4)春巻きが半分浸るぐらいの油を中温にし、5個くらいずつ入れる。くっつかないように7~8分揚げて出来上がり。
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