わいわい子育て

世界の子育て

パパ編アダム・ウォレスさん(英国出身、中山町)

2019年2月5日掲載

 海外出身者に故郷の育児や家族観を紹介してもらう「世界の子育て」。初めてのパパ編となる今回は、英国で生まれ育ったアダム・ウォレスさん(45)=中山町=に聞いた。

アダム・ウォレスさん
アダムさんの肩によじ登る3兄弟。夏にアダムさんの実家近くの公園で遊んだときの一枚=2012年、英・エディンバラ

 アダムさんは幼少期から英スコットランドのエディンバラで過ごした。セントアンドルーズ大を卒業後、「外国の田舎に行きたい」と、語学指導などを行う外国青年招致事業(JETプログラム)で来日した。外国語指導助手(ALT)として寒河江市で3年間活動した際に妻と出会い、結婚。1999年から後藤電子(同市)に勤務する。欧米で営業活動するため、年に3~4カ月は海外出張だ。現在は小学生から高校生までの息子3人の子育て中。サッカースポーツ少年団のコーチを引き受け、地域の子どもたちとも触れ合っている。

【アダムさん流・接し方】パパとしゃべる時は英語

 子ども時代は短い。あっという間に過ぎてしまうから、とにかく楽しんでほしい。テレビゲームより外で遊んでほしい。自分でやりたいことを見つけて、やるという子になってほしいと思って接している。

 パパとしゃべる時は英語。これも徹底している。日本語と英語と両方できることは、サッカーで言えば両足が使えるのと同じで、武器になるからね。

【英の学校】入学に融通、長い夏休みで家族旅行

 満4歳の9月から小学校に入るけれど、8月生まれの子は翌年に延ばすこともできる。そういう融通が利くのはいいところ。学校祭ではダンスパーティーやチャリティーイベントが盛ん。そして、夏休みが長い。小さい頃は親が3週間くらい休みを取って、一緒に欧州各国に出掛けた。夏はドイツまで車で行き、家族と過ごしたのが思い出。

 中高生の時は、日本で言えば部活のようなスポーツ活動としてラグビーをした。サッカーがしたかったけど、ラグビーが盛んな学校だったから。夏になるとクリケットをやった。複数のスポーツを季節で分けて取り組んでいた。

【自立】きょうだいが多く、自立も早い

 親子は子どもが小さい頃から別の部屋で眠る。赤ちゃんの時は親のベッドの隣にベッドを置くけど、2歳くらいになると自分の部屋かな。個性や性格、考え方をしっかりさせ、欲しいものややりたいことをアピールできるようにするため。自分の考えを持たせるようにすることが大事。仕事を始めると、親と離れて住むのが一般的。親には親の、子には子の、それぞれの人生があるという考え方なのかな。

◇次男・鈴木セルカーク裕音(ゆあん)さん(14)

 小学2年生の時、祖父母がいるエディンバラで半年過ごした。ハロウィーンの日は仮装して登下校し、クリスマスには教会で上演される劇に出演した。家で作ったケーキを学校で販売し、売り上げを寄付する活動もあった。おじいちゃんがサンドイッチの弁当を作ってくれたことも。

 日本より英国がいいと思うことは、学校にお菓子(ポテトチップスなど)を持って行って休み時間に食べたこと、毎週金曜日の最後の授業は必ず遊びの時間になっていて、テニスをしたり工作をしたりしたこと。やりたい遊びを自分で選べるのも良かった。

【冬の英国で人気・大人の飲み物】モルドワイン

 カルダモンやクローブなどのスパイスとフルーツを入れた温かいワイン。専用スパイスを手に入れると簡単に作ることができる。好きなシナモンを追加するのがアダムさん流。クリスマスには毎年味わっている。


◇材料(作りやすい分量)

 赤ワイン1本(750ミリリットル)、オレンジジュース500ミリリットル、ウイスキー少々、砂糖大さじ2、シナモン少々、モルドワイン用スパイス、オレンジ1個、リンゴ1個

◇作り方
  • (1)オレンジとリンゴをスライスして一口大に切る。
  • (2)鍋にワインとジュース、スパイスなど残りの材料と(1)を入れ、煮出す。
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