わいわい子育て

世界の子育て

米国編 リサ・ソマーズさん(山形市) あるべき姿共に考える

2016年5月19日掲載

 県内に住む海外出身者に故郷の子育てのあれこれを紹介してもらう「世界の子育て」。今回は米国・コネチカット州出身のリサ・ソマーズさん(48)=山形市平清水、翻訳家=に聞いた。

 日本の約25倍の面積がある米国。民族が多様な上、風習や生活習慣もさまざまで一言では語り尽くせない。リサさんはコネチカット州の大学で日本語を学び、「もっと話せるようになりたい」と卒業後の1990年に来日。富山県で日本人の夫(52)と出会い、長女ソフィさん(11)を出産した。夫の仕事のため、2010年から山形市で暮らしている。米国では父の転勤などでコネチカット、ミズーリ、カリフォルニアの各州で生活した。

【保育】

 共働きの夫婦は多く、保育施設は数カ月の赤ちゃんから預けられる。働いている親がよく使う「デイケア」、保育所や幼稚園を合わせた「プレスクール」は0歳から利用でき、就学前の2~3年間通わせる「キンダーガーデン」は日本の幼稚園のようだ。夕方や週末には近くに住む高校生にアルバイトでベビーシッターを頼むこともある。

リサさん(右)とソフィさんは、2011年のハロウィーンの際に仮装し、市内をパレードした。リサさんは「いつか本場のハロウィーンを見せてあげたい」と話す。
リサさん(右)とソフィさんは、2011年のハロウィーンの際に仮装し、市内をパレードした。リサさんは「いつか本場のハロウィーンを見せてあげたい」と話す。

【学校教育】

 小中高は6年・3年・3年が多い。放課後のクラブ活動や部活動はやらなくてもいいし、複数選んでもいい。リサさんは中学、高校の時は住んでいた町内にあった体操教室に通っていた。16歳で自動車の運転免許が取れるので、リサさんも毎日運転して通学したという。高校生のアルバイトは珍しくない。自分のお小遣いにしたり、家計を助けたり。将来の夢に近づくためのインターンに取り組む人もいる。

【ライフスタイル】

 ★自立心を育てる

 米国の子育ての大前提と言ってもいい。日本と比べて広い家が多いので、子供1人に1部屋というのはよくある。赤ちゃんの時から部屋があり、1人で眠る。

 小学生になると、責任感を育むため、芝刈りや皿洗いなど家事の手伝いをする。例えば、1週間でいくらとお小遣いを決め、もらう条件は自分が担当する家事をこなし、割り振られた責任を果たすこと。日本で家の手伝いというと「お風呂掃除は1回100円」など、お小遣いを対価として捉えがちだが「それではアルバイトみたい。無条件では(お小遣いは)もらえないといった一つの勉強のようなもの」とリサさん。

 家族でも頼りすぎるのは良くないとされ、高校を卒業すると多くは1人暮らしをする。「子供が自分の人生を歩き始める」のが子育ての終わりの理想の一つだ。

 ★ファミリータイム

 家族と過ごす時間のこと。週末など休日はもちろんで、毎日あるのが普通。仕事は残業をしないのが「優秀」とされ、家族に尽くす人が良い印象を持たれる。子供と過ごす時間をつくろうと努力するのが一般的で、そうしない人は親としての責任を果たしていないとしてマイナスイメージになる。

 ★ホームパーティー

 近所の人と会話するくらいの関係になると、家に招き合い、お茶をするそうだ。また、パーティーというほど華やかでなくても、晩ご飯を自宅で知人家族と一緒に食べたり、庭でバーベキューをしたり、カジュアルな食事会も一般的だ。「玄関にウエルカムマットを置くのも、そのまま『うちに来て』という意味。米国の家はオープン」

 ★スリープオーバー

 自宅に友人を呼んだり、友人宅に集まったりするお泊まり会。小学生くらいから始め、夏休みなど長期休暇の時は頻繁で、夜遅くまでしゃべったりする。親はこの日に外食に出掛けるなど、夫婦の時間を過ごすのも米国流だ。

【リサさんの子育て】

 自分で考えて物事を決められるように、ソフィさんが幼いときから「どう思う?」と尋ね、相談しながらいろいろなことを決めてきた。子供のあるべき姿を親が決めつけず、一緒に考えるようにしている。

 米国の習慣を子供にも体験させたいという思いから、サンクスギビング(感謝祭)には七面鳥とマッシュポテト、クランベリーソースなど伝統の食事を作っている。キリスト教信者ではないため、クリスマスやイースターは遊びを交えて楽しむ。クリスマスは家族が好きなごちそうが欠かせない。ソフィさんの好物はラム肉。12月になるとツリーを飾り、クリスマスまでの日数をカウントダウンする「アドベントカレンダー」として家形の木箱24個を用意する。木箱にはチョコレートやおもちゃを入れ、毎日1箱ずつ開けて当日を心待ちにする。イースターには卵の殻を使った飾りを作ったり、お菓子を探すゲームをしたりする。

【おふくろの味】

チキンヌードルスープ

体の調子が悪いとき、ほっと心を休めたいときに食べるシンプルな優しいスープ。

スープ(水1リットル、手羽元4~5本、タマネギ小1個、ニンジン小1個、セロリ小1本)、具(タマネギ、ニンジン、セロリ各適量)、パスタ(好きなもの。スープパスタ、小指の爪くらいの小さいパスタなど)、オリーブオイル適量、水適量、塩少々

【作り方】
  • (1)スープの材料の手羽元と、野菜を半分に切って入れ、煮込む。20分ほどしたら手羽元を取り出す。その後ことこと煮てからこす。濃いめのスープが完成。
  • (2)具の野菜を粗みじん切りにして、オリーブオイルで、甘みが出るまでゆっくり炒める。
  • (3)スープと水を入れて煮立たせ、(1)で取り出して刻んだ鶏肉とパスタを加えて煮込む。
  • (4)火が通ったら、塩で味を調える。
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