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予防接種 重要性や注意点を中井伸一医師(山形)に聞く

2020年7月21日掲載

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で、子どものワクチン接種を差し控える保護者が増えた。日本小児科学会では、なるべく予定通りに予防接種を継続していくことが望ましいとしている。改めて予防接種の重要性や注意点などについて、中井こども医院(山形市花楯1丁目)の中井伸一医師に教えてもらった。

「心配なことがあれば、かかりつけ医に相談してほしい」と話す中井伸一医師
「心配なことがあれば、かかりつけ医に相談してほしい」と話す中井伸一医師
■予防接種はなぜ必要?

 「ワクチンは長い歴史の中で、人類が多くの犠牲を払って生み出してきたもので、重い後遺症や死に至る危険性のある病気から身を守るために必要だ。ワクチンの種類によって異なるが、接種により水ぼうそうやはしかの場合は9割以上が免疫を保持でき、重症化を防ぐことができる」

■日本小児科学会が推奨する接種期間に打ち忘れてしまった場合はどうしたら良いか。

「気に病む必要はない。なるべく早くかかりつけ医に相談して接種してほしい。定期接種であれば対象期間内に受ければ、自己負担はない。スケジュールを教えてくれるアプリなどを活用するのも一つの手」

■予防接種を受けるときに気を付けることは。

 「基本的には体調が良いときに受けることが一番。37度5分以上の熱がある場合は接種できないが、軽い風邪気味程度であれば大丈夫なときもある。接種をする医療機関に相談してみてほしい。遅らせることで、予防できるはずだった病気にかかるリスクが高くなってしまうこともあるので、一日でも早い接種が大切となってくる」

■任意接種は必要か。

 「任意はお金がかかってしまうことから受けないという親もいるが、定期か任意かにかかわらず、重い後遺症や死に至る危険性がある点では、どのワクチンも重要性は同じといえる。A型肝炎や髄膜炎菌などの任意接種もあるので、必要があれば医師に相談してほしい」

■ワクチン接種による副反応も心配だが、同時接種は大丈夫か。

 「日本小児科学会でも同時接種を推奨している。多少熱が出たり、接種した部分が腫れたりという軽度の症状は出ることがあり、避けられない。日本では副反応に対して敏感だが、海外では当たり前ととらえられている。もし気になるような副反応が出た場合は、救済制度もあるので、医師に相談してほしい。乳幼児にとってはすべてが“新型”の病気だということを忘れずに、接種できる時期がきたら確実にワクチン接種をして、子どもの命を守ってほしい」

予防接種スケジュール
メモ

 定期接種のワクチンは定められた期間内で受ける場合は自治体から費用が支払われるので基本的に無料だが、対象期間外は自費となる。ロタ、おたふくかぜ、インフルエンザなどの任意接種は個人負担。これまで任意接種だったロタは今年10月から定期接種化が決まっている。任意接種について自治体によっては費用の一部を助成しているところもあるので確認すると良い。

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