入園シーズン親の心構えは 山形市私立幼稚園協会長・さゆり幼稚園長 高橋栄美子さんに聞く
入園シーズンがやってきた。わが子の幼稚園、保育園への入園を控える親たちは、期待の一方で不安も抱えているのではないだろうか。山形市私立幼稚園協会長でさゆり幼稚園長の高橋栄美子さんに、この時期にできる準備や心構えをアドバイスしてもらった。
A 入園当初、登園を嫌がって泣いたりするのは当然。「社会性に乏しいのではないか」と考えてしまう親もいるが、そんなことはない。ステージが変わる時であり、母子ともに不安を感じるのは当然。だれもが通る大事な道筋なので焦らないで。
登園を嫌がる期間が1週間で終わる子もいれば、1カ月の子もいる。また、新学期はスムーズでも長期休み明けに登園を嫌がったりと、それぞれ違う。周りの子と同じでなくていい。泣きながら登園した子も、一度登園すれば帰りはいい顔で帰る。親と幼稚園が一緒にその時期を乗り越えられるように信頼関係を築くことが大事。
Q おむつをしている。トイレトレーニングをしておいた方がいいのだろうか。A 今のおむつは快適でトイレトレーニングのタイミングが難しいようだ。さゆり幼稚園では年少児の半数がおむつをしたまま入園するが、夏休み前には、トイレでできるようになる。「おむつがとれないと幼稚園に行けない」などとハードルを上げないで。ただ、家庭でも子どもを励ましながら、トイレで排せつできるように移行する努力はしてほしい。
Q 生活リズムで気を付けておくことは?A 早寝早起きが基本。ぐっすり休んで気持ち良く起きて、朝食をとって排せつをして登園、というのが理想。こういう生活リズムを確保してあげてほしい。
Q 好き嫌いがある。給食を食べられるか心配。A 最初は好き嫌いがあったり、自分で食べられなかったりした子も、徐々に残さずに食べるようになる。入園に合わせて好き嫌いをなくそうと焦るのは逆効果。大事なのは楽しい食卓にすること。大人が一緒においしく食べることが素晴らしいお手本になる。「食べるって楽しいなあ」という感覚を植え付けてあげてほしい。
Q 入園を前に親の心構えは?A 子どもの成長には道筋があり、それに添って保育をしていく。今までの生活習慣から一気にジャンプなんてできない。親自身が、わが子の入園を楽しみに待っていてほしい。不安はあっても、自分も子どもと一緒に成長していこうという希望を持って。親が1人で悩みを抱えると子どもにも影響する。親子ともども受け止めるので、ちょっとしたことでも身近な先生に相談してほしい。