わいわい子育て

わたしのスタイル

山形BPOガーデン(酒田)で働くママ、佐藤さんはどう両立?

2020年9月1日掲載
広報も担当する渋谷留身さん。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の社内学習会に向け資料づくりをしている=山形市、ジェイ・サポート
広報も担当する渋谷留身さん。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の社内学習会に向け資料づくりをしている=山形市、ジェイ・サポート

 県内のママに家庭と仕事を両立する工夫を聞く「働く子育て世代 わたしのスタイル」。今回は、生産設備開発製造「ジェイ・サポート」(山形市、村川和久社長)の渋谷留身さん(35)=天童市=を訪ねた。

 渋谷さんは、会社員で単身赴任中の夫(42)、小学5年生の長女(11)、4年生の長男(9)、保育園年長の次女(6)の5人家族。渋谷さんの実家が天童市内に、夫の実家が寒河江市内にあり、子どもが病気になったときなどに助けてもらっている。

 平日は1人で育児をこなす「ワンオペ育児」だが、時間があるときに料理を作り置きするなど工夫。夫は毎週末、赴任先の福島県から帰ってきて食事の準備や洗濯など何でもこなす。夫の実家に特に世話になっており、子ども3人だけが泊まらせてもらうことも。翌日は朝食の支度をしなくて済むため、息抜きの時間になっているようだ。

 渋谷さんは長女出産後の2010年に入社。すぐに長男の妊娠が分かったこともあって産後3カ月で仕事に戻った。次女のときは産前産後休業と育児休業を取り、1年間子育てに専念した。いざ復帰となり「子ども3人を抱えては両立できなさそう。仕事を辞めなきゃだめかな」と思ったが、同僚の気遣いや支えがあって続けてこられたという。次女があまり体調を崩さないことにも救われている。

 平日は子どもたちの習い事の送迎でばたばたすることがある。午後5時半に仕事を終えて保育園と放課後児童クラブに迎えに行き、午後7時からダンスやバドミントンの教室へ。前日に作っておいたカレーや芋煮を温めて食べさせるほか、時間がなければコンビニエンスストアで買ったおにぎりのときも。

 来春、末っ子が小学校に入学すれば「少しは楽になるかな」。これまでの育児を振り返ると、上の2人は年子のため小さい頃は両脇に抱っこでお出掛け。その後はあっち行ってこっち行ってと目が離せず大変だったという。7年ほど前に品質管理(QC)検定3級の試験を受けることになり、寝かしつけを終えた午後10時~午前2時ごろまで勉強した日々もあった。「つらかったはずだけどあまり覚えていない」。「(2年間にわたる)夫の単身赴任が間もなく終わる。家族で出掛けたり、友達家族と遊んだりするのが楽しみ」とうれしそうに話した。

渋谷さんスケージュール

育休取得率、男女とも100%─働く姿見せる「子ども参観日」

昨年の「子ども参観日」で工場内を見学する子どもたち。ロボットの動きに興味津々の様子
昨年の「子ども参観日」で工場内を見学する子どもたち。ロボットの動きに興味津々の様子

 ジェイ・サポートは従業員数31人のうち8人が女性だ。本年度、子育て支援に積極的な企業として山形労働局が認定する「くるみん」を受けた。計画期間中(2017年2月~20年3月末)の育児休業取得率は男女とも100%。鈴木政紀副社長は「女性の活躍を推進している。結婚や出産を経て長く勤めてもらうには、『子育て支援』イコール『母親支援』が必要」と話す。

 社員の子どもに親の働く姿や環境を見せられる職場づくりをしようと、17年から「子ども参観日」を設定。昨年は小学生など9人が参加し、お父さんやお母さんの仕事場を見て回った。「社員側の誇りや働く意欲が高まったように感じる」と渋谷さん。自身は「子どもから『ママも頑張っているんだね』と言われ、照れくさかった」と笑う。

 19年度の有給休暇の取得日数は1人当たり平均9.49日。1週間ほど前までに申請すれば、誰でも1時間単位で取れるため、子どもの学校行事や通院時などにも活用できるという。未就学児を持つ社員は看護休暇が年5日ある。

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