わいわい子育て

わたしのスタイル

白光園(白鷹)で働くママ、高橋奈緒さん(長井)はどう両立?

2019年06月04日掲載

 子育て真っ最中の女性に家庭と仕事を両立する工夫を聞く「働く子育て世代 わたしのスタイル」。今回は、特別養護老人ホーム白光園(白鷹町、稲葉明彦園長)の介護福祉士、高橋奈緒さん(38)=長井市=に話をしてもらった。

 高橋さんは、バスの運転手として働く夫健さん(40)、長女桜来(さら)さん(8)=長井小3年、長男駿斗(はやと)君(4)=白山保育園年中=との4人暮らし。高橋さんの実家が白鷹町内に、健さんの実家が長井市内にあり、子の病気や週末の勤務の際は双方の実家に助けてもらっているという。高橋さんの仕事の都合で健さんと子どもだけで過ごす週末が続くと、子ども2人を実家に預け、健さんが1人で過ごす時間をつくり、リフレッシュする日を設けている。

元気よく明るく声掛けし、お茶を配る高橋奈緒さん(中央)。乳幼児の育児と両立して働く同僚もいる=白鷹町・白光園
元気よく明るく声掛けし、お茶を配る高橋奈緒さん(中央)。乳幼児の育児と両立して働く同僚もいる=白鷹町・白光園

 健さんは洗濯などの家事、食事、寝かしつけなど何でもこなす。朝食後には子どもたちと追いかけっこなどでひと遊びし、駿斗君を保育園に送るのが健さんの日課。高橋さんが夜勤の時は夕飯を準備し、駿斗君の翌日の着替えを用意する程度で、ほかは健さんがやってくれる。高橋さんは「私が仕事を優先できるのも主人の協力のおかげ」と感謝を何度も口にした。

 介護の仕事はフルタイムで夜勤も担当する。職場には「お互いさま」の雰囲気が定着しているという。妊娠中は浴室内での作業を他の人が代わってくれたり、子どもが病気の時は「すぐ行ってこい」と送り出してくれたりした。同僚には育休から復帰したばかりで乳児を育てている女性も、子育てが一段落した女性もいる。休憩時間に子育てが話題に上がることもしばしば。子どもが熱を出した際には翌日も心配して声を掛けてくれ、「子どもの病気で休んでしまうのはみんなに申し訳なく思うけど、『あたりまえだごで』と快く送り出してくれるのでありがたい」と高橋さん。

 高橋さんは羽陽学園短期大専攻科を修了後、社会福祉法人白鷹福祉会に就職。最初は障害者施設の白鷹陽光学園に配属された。そこで子ども2人を出産、職場復帰した。

 育児休業が明ける際は、先に生活のリズムをつくろうと、子どもがそれぞれ1歳になる前に職場復帰。子どもが1歳になるまで授乳などに使える育児時間(1時間)を、勤務時間の最後に充てるよう配慮してもらい、1時間早く帰宅した。

 白光園には2017年から勤務する。桜来さんの小学校入学と異動が重なったため、環境の変化で子どもが不安定にならないだろうか、就職後初となる介護の現場で思うように仕事ができるだろうか、と不安が募ったという。配属先に同級生や以前の同僚がいたため、利用者への対応などを気後れせずに何でも質問することができ、不安を解消できた。

 「人と接する仕事なので、丁寧な態度、やってもらったらうれしいことを相手にもすることを心掛けている。介護は楽しい」と笑顔を見せた。

働きやすい環境へ、企業の工夫―充実の支援と思いやり

管理職は女性が6割以上。「お互いさま」と職員同士の思いやりが定着している
管理職は女性が6割以上。「お互いさま」と職員同士の思いやりが定着している

 社会福祉法人白鷹福祉会は職員約200人のうち女性が7割。管理職も66%が女性だ。厚生労働省が女性活躍推進企業を認定する「えるぼし」、労働局が従業員の仕事と子育ての両立を支援する企業を認定する「くるみん」をともに受けている。

 白光園で勤務する、出産予定の女性のほとんどが、子どもが1歳になる頃まで育児休業を申請する。取得率は100%。ここ7~8年はこうした状況が続いている。24時間の交代勤務で、終業時間が近づくと職員同士で声掛けして帰宅を促し、残業はほとんどない。夜勤の場合は翌日の会議を休むことができる。子どもが病気のときに取れる看護休暇(有給)は子どもが1人なら年5日、2人の場合は年10日あり、30分刻みで取得可能。同様に介護休暇もあり、親の通院で利用する人がいる。希望の職務や家庭の事情、出産の予定などを相談する面談が毎年12月ごろにあり、職員全員が園長と話す。

 同法人は職員が安心して長く勤務するためのサポートを続けてきた。稲葉園長は「『お互いさま』という気持ちが当たり前。チームワークがあり、思いやりのある職場だ。子育てを支援するのは事業所としての責務。これからも惜しみない支援策を講じていきたい」と語った。

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