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至誠堂総合病院(山形)の看護師・河合あゆみさんの場合

2016年2月27日掲載

 山形市の至誠堂総合病院で働く看護師河合あゆみさん(31)=同市=は、長男勝斗君(5)次男晴斗君(1)の2人のママ。河合さんに子育てと仕事をどう両立しているのか聞いた。

医師と打ち合わせをする河合あゆみさん。「職場での理解や家族の協力がありがたい」と話す
医師と打ち合わせをする河合あゆみさん。「職場での理解や家族の協力がありがたい」と話す

 河合さんは子どもたちと夫英人さん(34)、夫の母(61)の5人家族。21歳で看護の世界に飛び込んだ。結婚、出産してママになってからも、日勤のほかに準夜勤(午後5時~午前1時)と夜勤(午前1~9時)がある生活を送っている。

 勝斗君出産後は10カ月、晴斗君の時は1年間の育児休業を取得。復帰後は病院近くの事業所内保育園に子どもたちを預けている(現在、勝斗君は幼稚園に転園)。保育園は徒歩1分もかからない好立地で、休憩時に母乳を飲ませようと通った時期もある。

 英人さんは市消防職員で、週の半分は24時間勤務。職場で食事作りを担当し、めきめきと料理の腕を上げた。非番の日は「私が作るよりもおいしい」(河合さん)という料理を家族に振る舞ったり、勝斗君と一緒に風呂に入ったり。わんぱくな子どもたちの遊び相手にもなってくれる。

 同居する義母は夕食の用意のほか、準夜勤や夜勤の時は子どもたちの寝かし付け、添い寝と万全のサポート。河合さんは「本当に助かる。母がいないと生活が成り立たない」と感謝の言葉を口にする。特に晴斗君が生まれてからは、義母が勝斗君の面倒をみてくれて助かっている。

 職場では障害者・一般病棟を担当。同じ年ごろの子どもを持つ同僚が多く、子育てへの理解が深いと感じる。子どもが熱を出したと言えば「すぐ迎えに行けは」、夜勤明けの時は「(保育園に預け)甘えちゃっていいのよ」と声を掛けてくれる。「フォローし合える関係性が築けている」と河合さん。子育てとの両立は「大変だけど、仕事を通し患者さんやその家族と出会い、多くを学ぶ。自分を見つめ直すいい機会」と語った。

人材確保に事業所内保育園―県内病院で初、早期の現場復帰も可能

 病院のほかにケアセンターなどを抱える医療法人社団松柏会の職員は現在約450人。このうち7割超を女性が占める。至誠堂総合病院の事務部次長米野由美子さん(52)は「24時間体制の医療機関だからこそ、看護師を確保するために事業所内保育園が不可欠」と考える。

 現在、病院そばの建物内にある事業所内保育園は、かつて院内にあった。1963(昭和38)年ごろから院内保育所を望む声が上がり、66年に開設。「山形地区医療労働組合40年の歩み」によると、県内の病院では初の設置だった。69年には廃車のバスを園舎代わりに使用。子どもたちはバスの座席に座り遊んでいたという。

昭和40年代には廃車のバスを園舎として利用していた(菊地光子さん提供)
昭和40年代には廃車のバスを園舎として利用していた(菊地光子さん提供)

 99年に都合により一度は閉所したが、全国的に看護師不足が指摘され始め、同院も例外ではなかった。優秀な人材を確保しようと2010年に「わかば保育園」(丹野志津園長)を開設。現在は法人職員の1~3歳の子どもたち16人が入所している。民間保育園は自治体が絡むため入所決定まで時間がかかるが、わかば保育園は院内で手続きが完結する。「フットワークが軽く融通が利く」と米野さん。子育てのために退いた看護師を掘り起こし、すぐに現場復帰してもらうことも可能だ。

 女性の育児休業取得率は近年100%を維持(14年度は県全体で女性90.2%、男性2.1%)。男性でも昨年は理学療法士が2週間、2014年には看護師が1カ月の育休を取った。時間休は30分刻みで利用可能。子どもが小さいうちは急に体調が悪くなることも多いが、職員らは時間休を使って病院を受診したり、予防接種に連れて行ったりと上手に制度を活用している。

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