わいわい子育て

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働く子育て世代・わたしのスタイル コヤマ(村山)で働くママ・斉藤さん(天童)はどう両立?

2015年6月16日掲載

 共働き率が常に全国上位の本県。県内の子育て世代はどのように家事、育児と仕事を両立しているのだろうか。仕事の業種や家族構成によっても違うだろう。県内のパパ、ママや、職場の担当者に話を聞き、両立の工夫を紹介していく。1回目は部品加工製造のコヤマ(村山市、小山喜代司社長)で働くママに聞いた。

「家族の協力は大きい」と話す斉藤梨奈さん
「家族の協力は大きい」と話す斉藤梨奈さん

 子育て中の同社社員斉藤梨奈さん(24)=天童市=に家事と仕事の両立法を聞いた。

 斉藤さんは長男蓮人君(2)、夫の龍樹さん(23)、夫の父(48)、母(50)、妹(18)の6人家族。8月には第2子を出産予定だ。会社では車の部品検査を担当。繁忙期は残業もあるという。

 斉藤さんは蓮人君を出産後に育児休業を1年とり、復帰。復帰後は短時間勤務制度を活用し、出社時間をそれまでより1時間遅らせている。蓮人君を保育園に届けると、通常の午前8時の始業には間に合わないためだ。

 夫の龍樹さんは運送業で夜勤の仕事をしている。平日は毎日夜に送り出すため、帰宅後の家事は大忙し。平日にあまり蓮人君と遊べない分、「(龍樹さんは)休日は夜勤明けのまま寝ずに遊んでくれる」(斉藤さん)という。

 昨年末から夫の両親、妹と同居を始めた。残業がある日は義母や義妹が蓮人君を保育園に迎えに行ってくれたり、夕食を用意してくれたりとサポート。蓮人君のお風呂も家族が手伝ってくれるため、その間に夕食の後片付けや龍樹さんの弁当準備ができる。「家族の協力がかなり大きい」と斉藤さん。

 職場環境にも恵まれていると感じる。正社員のまま短時間勤務ができることや、育休をきちんと取得できることに加え、育休中に月1度、子ども連れでほかの社員と触れ合う機会がある。斉藤さんは「リフレッシュになったし、会社の状況も聞いていたので、復帰しやすかった」と振り返る。

働きやすい環境へ企業の工夫-社内に息づく「お互いさま」の心

「お互いさまの心が大事」と話す佐藤幸子さん
「お互いさまの心が大事」と話す佐藤幸子さん

 「うちに限っては少子化は当てはまらない」という同社。働きやすさは社内に自然にあるという「お互いさまの心」がキーワードになっているようだ。同社総務部主任の佐藤幸子さん(55)に、子育て世代が働きやすくするために工夫していることなどを聞いた。

 同社の従業員は現在205人。このうち6割強を女性が占める。女性の育児休業取得率は2004年度から100%を維持(県全体では14年度で女性90.2%、男性2.1%)。子どもの保育園入園に合わせて若干短い人もいるが大部分の人が1年間取得している。常に3~5人が育休中。短時間勤務制度は30分刻みで利用でき、子どもが小学校に入学するまで使うことができる。市外から通勤する人を中心にこれを活用する人も常時5、6人いる。

 佐藤さんは「特別目玉になる制度があるというわけではないのだが、社内には育休や年休が取りやすい雰囲気がある。鍵は従業員同士がフォローし合う『お互いさま』の気持ちだと思う」と説明する。

 例えば、子どもが小さいうちは、急に体調が悪くなり幼稚園や保育園、小学校から連絡がくることもしばしば。出社後数時間で帰らざるを得ないこともあるが、周囲がその分をフォローする雰囲気があるという。女性だけでなく、子どもを予防接種に連れて行くために年休を取る男性もいる。

 そんな中でもユニークなのは、育休中の従業員が親睦会費を納めに月1回出社する際、強制ではないが、子どもも一緒に連れてくるように伝えていること。その時に写真を撮り、社内報で紹介している。育休中も社員と交流することで会社とつながっている感覚を保ち、復帰しやすい雰囲気を作るためだ。育休中の社員同士が情報交換する場ともなっている。

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