
赤ちゃん、分からないことだらけ その不安、保健師さんに聞きました

赤ちゃんの誕生はうれしい一方、授乳、睡眠、成長具合など分からないこと、不安もたくさんある。月齢が進むと離乳食も始まる。母子の家庭訪問でママの声を聞いている、山形市母子保健課職員で、保健師の佐藤香さん(53)と井上幸子さん(47)に、主に1歳未満の子育てのアドバイスを聞いた。また、乳幼児の新型コロナウイルスのワクチンについて予防効果や副反応を改めてまとめた。
■授乳の目安は?―泣いたら吸わせる、で大丈夫
-母乳の量が足りているかどうか不安です。母乳は飲みたい時に飲ませていいと聞きますが、目安はありますか。
「授乳は多くのママが悩むテーマです。赤ちゃんは授乳と睡眠を繰り返しますが、最初は間隔がバラバラで当然です。泣いたら吸わせる、で大丈夫です。産後6~8週ごろになると少しずつ生活リズムが整ってきます。体重が重要な目安になるので、母子健康手帳の乳幼児身体発育曲線を参考にしてみてください」
-ミルクの場合はどうですか。泣くと、目安の時間より早くあげてしまうことがあります。
「1回の量や時間に神経質にならず、一日全体を通して目安の量が飲めていればOK。また、泣いているのは授乳以外の要求かもしれません。抱っこ、オムツ交換など他のことも試してみましょう」
-体重が発育曲線の外側で、目安より重い(軽い)です。授乳量など変えた方がいいですか。
「発育には個人差があるので、曲線の外側でも、カーブに沿っていればその子なりに成長しているということ。気になるようであれば、健診や予防接種で小児科に行った時に相談してみてほしいです」
-離乳食で食べない食材があります。また、離乳食よりミルクや母乳をほしがります。
「離乳食は、食事は楽しいものだと認識し、いろんな食材に触れることに意味があります。この時期はまだ母乳やミルクでの栄養摂取が中心なので、食べないことに極端に落ち込まなくても大丈夫です。食材をもう少し軟らかく煮たり、細かくしたりして様子を見ましょう」
■抱っこじゃないと寝ない―代わりの安心を模索してみて
-睡眠が不規則です。
「生まれてすぐは焦らずに。月齢が進んできたら、日中は明るく、夜は静かに部屋を暗くするなど、昼夜の区別がつけられるようサポートして、夜に眠れるようにしてみましょう」
-抱っこじゃないと寝てくれません。抱っこから布団に寝せると大泣きします。
「抱っこじゃなくても安心して眠れるよ、ということ示すようにしてみましょう。例えば優しくトントンしたり、肌触りがいいタオルや毛布を握らせるなど、抱っこの代わりになるものがないか模索してみてほしい」
-初めての外出のタイミングは。
「1カ月健診が終わったころから少しずつ窓を開けて外気浴をしたり、10分程度の散歩をしたりしてみましょう。ただ、まだ寒い季節なので無理せず、天気が穏やかな日で大丈夫。近くの子育て支援センターに行ってみるのもいいでしょう。保育園内にセンターを設けているケースもあります。仕事復帰を考えているママは、見学を兼ねて訪れるのもいいかもしれません」
■パパと一緒に楽しみたい―成長を喜び、共有しよう
-パパともっと一緒に子育てを楽しみたいです。どういう言葉をかけたらいいですか。
「体の変化などで妊娠中から親になることを実感する女性と違って、男性は子どもが生まれるまで実感が湧きにくいです。でもパパなりにうれしいと思っているはずです。寝返りができた、初めてしゃべったなど、子の成長を一緒に喜び、共有しましょう。出産後の家事や育児は、やってほしいことを具体的に伝え、感謝の気持ち、不安なことなどはお互いに言葉に出して伝えるといいですね。パパも成長できる機会です」
-祖父母世代との子育てに関する認識の違いは、どう受け止めたらいいですか。
「時代と共に、常識の変化はあります。まず『子どものために言ってくれている』と感謝の気持ちを持ちましょう。かかりつけ医に言われた、助産師にアドバイスを受けたなどと伝えるとスムーズかもしれません」
効果や安全性確認し、検討を 新型コロナワクチン接種
昨年秋から生後6カ月~4歳の新型コロナワクチンの接種が可能になった。乳幼児ワクチンは3回が1セットで、接種間隔は2回目は3週間、3回目は8週間以上空けることが求められる。
使用するワクチンはファイザー社の乳幼児用で、12歳以上の人に使用する同社のワクチンと比べて有効成分の量は10分の1。臨床試験では3回目接種後7日以降に73%の発症予防効果が確認されているという。同試験での副反応は接種部位の痛みや疲労、発熱などが確認されている。ほとんどが軽度または中等度だった。
山形市のワクチンメーターによると、同市の6カ月~4歳の接種済みの割合(19日午後6時現在)は1回目が6.7%、2回目が5.9%。同市の新型コロナウイルスワクチン接種対策室は「効果や安全性、接種前後に起こることがある症状について確認し、接種するか検討してほしい」としている。