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電子マネー普及、現金使う機会減 金銭感覚の基礎つくろう

ファイナンシャルプランナー・庄司あきこさん(山形)に聞く
2023年1月17日掲載
絵が多い本や金融庁の「うんこお金ドリル」の活用を紹介する庄司あきこさん
絵が多い本や金融庁の「うんこお金ドリル」の活用を紹介する庄司あきこさん

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現金の利用が減り、電子マネーを使う機会が増えた。カードやスマートフォンをかざすだけで、物が買えたり、サービスを受けたりできる。小さな子どもにとっても身近で、これではお金を使った感覚が薄れてしまわないだろうか。

 お金を話題にすることはタブー視されがちだが、金融リテラシー(お金にまつわる知識や判断力)がなければ貯蓄がうまくいかなかったり、金融商品詐欺に遭ったりすることもある。小学校入学前後の子どもから金銭感覚の基礎がつくれるという。ファイナンシャルプランナーの庄司あきこさん(36)=山形市=に、5歳ごろから小学校低学年くらいまでの子どもに向けた“金融教育”のこつを聞いた。

タイミング

 庄司さんは「これから育つ子どもたちは『キャッシュレス・ネーティブ』で、大きな心配はなさそう。でも電子マネーの金額を、単なる数字と捉えてしまわないよう気を付けなければならない」と指摘した。始めるタイミングは、子どもが興味を持った時が良さそうだ。

 第一歩は数や大きさの感覚を養うことで、つまりは算数だ。おやつの時間にお菓子の数と人数を比べながら分けてみたり、浴槽からあふれた湯の量で体積の大きさを感じたりする。「どうぞ」「ありがとう」を繰り返しておもちゃを渡し合う子どもの遊びは、売買の起源ともいえる物々交換に似ている。こうした子どもとのやりとりが価値観の基礎を育むという。

使う

 電子マネーはお金の流れが見えにくく、使うハードルは低くなりがちだ。普段の食材や日用品を買うとき、混雑しない時間帯であれば、人がいるレジで子どもが支払いを体験するのは「使う」を知る良いチャンスだ。現金を店員に渡して物を持ち帰る感覚が根付くそうだ。

 家族で外食に行って「ごちそうさまでした」と支払いをし、子どもに「おいしかったね」と話しかける。何げない会話に聞こえるが、お金の有益な使い方を知る方法の一つだ。何を買うか悩む姿、気に入った物を手に入れて喜ぶ様子をそのまま子どもに見せるのもいい。庄司さんは「子どもは親をよく見ているし、まねをする。日常の声かけを少し工夫すると、お金の感覚がつかめるようになるのでは」と話す。

ためる

 「ためる」が見えるグッズの一つ、百円均一ショップなどにある子ども用通帳を活用するのも手だ。欲しいものはいくらかを調べ、持っているお金で足りるのか。使うか、我慢してためるか、子ども自身が考えることが重要だ。

 子どもが使いたいと強く主張する場合は、その使い道を「無駄遣いしない!」とたしなめるのは厳禁だ。「親が使う価値を決めつけず、本人が体感できるよう、少額の失敗は大目にみてあげてほしい」

 もう少し大きくなった時には、お年玉の一部を子どもに渡し「1年後に残った額に10%の利子を付けてあげる」という提案をしてみるのもいいそうだ。期間を変えてもいいし、利子とせずに一定額にしてもいい。投資に近く、「増やす」の体験になる。

稼ぐ

 お金は労働の対価という一面もある。手伝いをしたら駄賃をあげるという家庭はありそうだが、庄司さんはポイント制を薦める。「将来を考えたとき、誰かを喜ばせたり、困り事を解決したりすることが仕事につながることも知ってほしい」とし、一定のポイントをためたら換金するシステムを紹介した。例えば、お手伝い1回10ポイントで、忙しい時や困っている時に助かるお手伝いなら2倍のポイントをあげる。ポイント増の鍵は「うれしい」や「ありがとう」だ。家庭によって家事に対する考え方が異なる上に、手伝いをさせる際には親の労力や時間が必要になる場合もある。試す前に一度家族で話し合ってみてはどうだろう。

 しょうじ・あきこ 20代前半で金融や資金計画に興味を持ち、資格を取得。2017年5月に起業し、女性のライフプランを応援する「季(とき)の実」を山形市内に開設した。対面やオンラインで相談に乗るほか、セミナー講師も務める。

エール

 お金の使い道に正解はない。子どもに尋ねられて分からなければ、一緒に勉強するという関わりもいいと思う。子育て中はパパもママも忙しいので無理し過ぎないのも肝心。お金について学べる絵が多い本、金融庁の「うんこお金ドリル」を活用するのもお薦めだ。

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