わいわい子育て

アラカルト

ママの悩み、相談してみた

2022年10月18日掲載

 日々の生活に追われる母親たちは、大なり小なり悩みを抱えていることだろう。子育て中の本紙記者たちもだ。3人の記者それぞれが抱えるキャリア、ママ友、ワンオペ育児の悩みについて、本県の「住みます芸人」で、お笑いコンビ「ソラシド」の本坊元児さん(44)、長井市の洞松寺住職の小野卓也さん(49)、育児中の女性の再就職先などを支援する総合窓口「マザーズジョブサポート山形」の高木美智さん(55)、大場裕恵さん(58)に相談してみた。

仕事だけがキャリアではない―育児とキャリアの両立

 入社5年目、28歳 1歳の子どもがおり、もうすぐ2人目が生まれます。育児とキャリアを両立できるのか不安です。やはり、フルタイムでバリバリ働ける人に責任ある仕事が任され、評価されると思ってしまいます。家庭も大切だけど、同じように仕事も頑張りたい。どうすれば自分らしいキャリアを築くことができますか。

高木さん、大場さんの回答


マザーズジョブサポート山形の大場裕恵さん(左)と高木美智さん
マザーズジョブサポート山形の大場裕恵さん(左)と高木美智さん

 育児とキャリアの両立はできます。子どもが成長すれば仕事に打ち込める時間も多くなり、母という立場より自分の人生を考えられるようになります。だから、子どもに手がかかる今は子育てにまい進してほしい。それこそが自身の成長になり、今後のキャリアにもつながります。

 また、仕事だけがキャリアではありません。育児も家事も夫婦生活も、その全てがキャリアです。あなたは母、妻、嫁、職業人…と色んな役割でキャリアを積んでいます。キャリアが途切れることはありません。

 今のあなたにとって、一番大切なものは何ですか。悩んだら、そこに立ち返りましょう。人間はどうしても弱いので、誰かと比較して自分の価値を下げてしまいます。でも、自分軸さえ持っていれば自分らしいキャリアを築けます。ご自身の唯一無二の人生です。


 マザーズジョブサポート山形 山形市の山形テルサ1階にある。「コンシェルジュコーナー」では、県の委託を受けたNPO法人やまがた育児サークルランドのスタッフが、育児と仕事の両立などに関する悩みに親身に対応してくれる。無料の託児所やキッズスペースもある。問い合わせは同コーナー023(665)5915。

自分の合格ライン下げてみて―ワンオペ育児

 入社15年目、41歳 夫は単身赴任中、小学1年と2年の2人の子どもがおり、親にも頼れないワンオペ育児です。仕事と家のことで毎日余裕がなく、イライラしてしまいます。心穏やかに子どもと過ごすにはどうしたらいいでしょうか。

小野さんの回答


小野卓也さん
小野卓也さん

 米アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏は、不必要なものをそぎ落とすシンプルライフを実践しました。彼はこれをZEN(禅)と考えました。子育てや家事も最低限のものだけにし、自分の中で合格ラインを下げてみてはいかがでしょう。極端な話、死ななければいいのです。怒らなかった、掃除をしたなど、合格ライン以上のことができたら加点式で物事を考えてみましょう。

 課題の切り分けも大切です。「子どもが宿題をしない」といった問題は、子どもの問題。親が抱え込む必要はありません。でも、子どもが手助けを求めたら面倒がらずに支援をしてあげましょう。

 私が毎朝欠かさず実践していることは、登校する子どもたちのお見送り。子どもの顔をじっと見て脳裏に焼き付けると、愛おしさが湧き、大事にしなくてはと再確認できます。イライラする気持ちもリセットできることでしょう。


 小野卓也さん 長井市の洞松寺住職。中高大学生3人の父親で、研究職の妻は単身赴任中。「イクメン住職」として知られる。長井市男女共同参画推進審議会長や県家庭教育アドバイザーなどを務める。ボードゲームジャーナリストとしても活躍する。2020年は本紙「日曜随想」の筆者を務めた。

急ぐ必要なし、焦らず楽しみに―ママ友づくり

 入社17年目、40歳 子どもは小学1年、3歳、2歳の3人です。これまで、人付き合いが苦手で、ママ友と呼べる人がいませんでした。一方でママ友が煩わしいという話も聞き、いなくてもいいのではとも思います。どうしたら気の合うママ友を見つけることができますか? ママ友との上手な付き合い方を教えてください。


本坊さんの回答


本坊元児さん
本坊元児さん

 子どもの育児と仕事を両立させる生活は大変でしょうね。ママ友との言葉は最近、よく使われますが、僕らの母親世代も同じだったように思います。町内会や学校の付き合いがあり、楽しそうな時もあれば嫌な時もあったようです。

 お互い子どもがいて、苦労や家庭の事情を共有できるママ友は、僕らでいう「芸人仲間」のような居心地の良さがあると思います。子どもが大きくなるにつれ、子供会やPTAなどで保護者も一緒に参加する学校行事が増えてくると思います。そこで自然と友達関係になることもあるでしょう。なので、急いでママ友を見つける必要もない気がします。

 煩わしい付き合いもあると思いますが、お子さんの成長を通じてたくさん人とのつながりが広がっていきます。焦らず楽しみにしてみてください。


 本坊元児さん 愛媛県松山市出身。2001年に水口靖一郎さんとお笑いコンビ「ソラシド」を結成。18年に「住みます芸人」として本県に移住し、19年から西川町で空き家と畑を借り農業に取り組み、テレビやラジオなど複数のレギュラー番組を持つ。著書に「プロレタリア芸人」や「脱・東京芸人 都会を捨てて見えてきたもの」がある。本紙発行の学生向け情報紙「キミヘ」で悩み相談も担当している。

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