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子どもの不思議 東北文教大子ども教育学科副学科長・福田真一准教授が解説

2022年6月21日掲載
東北文教大子ども教育学科副学科長の福田真一准教授
東北文教大子ども教育学科副学科長の福田真一准教授

 「なぜ、いつも棒を拾うの?」「どうして鼻くそを食べちゃうの?」-。わが子を見ていると、大人が首をかしげてしまう行動を取ることはないだろうか。そんな「子どもの不思議」について、東北文教大子ども教育学科副学科長の福田真一准教授に発達心理学の視点も踏まえて解説してもらった。

Q.なぜ、子どもはロッカーや家具の隙間など狭い所に収まりたがるのか

小さな段ボールに入る3歳児
小さな段ボールに入る3歳児

 適度に圧迫感のある場所は心地よさや安心感を体験できる。抱っこされている状態もそうだ。1歳くらいからは少し暗くなるなどの感覚的な違いを楽しんでいるという意見もある。2歳頃には複数名で狭い所に一緒にいることを楽しむ姿も見られるようになる。「おしくらまんじゅう」も信頼できる人同士であれば、くっついている感覚を楽しむ遊びの一つだ。

Q.なぜ、男の子はおちんちんを触るのか

 人間の行動を解釈するとき、人間の意志が自分の行動を決定するという視点の「理性主義」がある一方、環境の中にある情報が人間の行動をある程度決めるという考え方がある。これを「アフォーダンス(環境が動物に与える意味)」という。出っ張っているものに触れるということはヒトとして自然な行動だ。おちんちんもその一つ。

 ただ、その時に落ち着いた、面白かった、周囲の大人から強い反応が見られたなどの経験から、おちんちんが「ほかのものとは違う意味のあるもの」になった子どもは、その後も触る機会が増えるかもしれない。かゆみや痛みが原因の可能性にも配慮しつつ、楽しく身体を動かすなど、子どもがほかのことに集中できる時間を大事にしたい。

Q.なぜ、子どもは道ばたや公園などで石や棒を拾うのか

 これも、アフォーダンスの視点で考えると「拾えるから」ということになる。子どもにとっては「世界を知る」ことにもつながっている。2、3歳くらいになるとその石や棒に意味を持たせ、見立て遊びをするようになる。子どもがどんな思いで拾っているのか、じっくり見てみたい。

道ばたで石を拾う2歳児。この頃から見立て遊びも始まる
道ばたで石を拾う2歳児。この頃から見立て遊びも始まる

Q.なぜ、子どもは鼻をほじった後、鼻くそを食べてしまうのか

 子どもは元々、いろいろな物を口に入れる。鼻くそは野菜のように苦みや酸味があるのではなく、どちらかといえば塩味なので口に入れても食べられないものではない。ほじった鼻くそのやり場がなく、食べることもあるだろう。ティッシュを使う方法を知り、そうするときれいになり、周囲も承認する環境が整うと、鼻くそは捨てるとの文化に親しむことになるのでは。

 また、友達などから「汚い」「かっこ悪い」と言われる社会的要因が加わると、子どもなりに考える機会になる。

Q.なぜ、子どもは靴を左右逆に履いてしまうのか

 左右で違うことをあまり意識していない、逆に履いてもあまり不便でない、逆に履いた方が歩きやすいなど背景はさまざまありそう。5歳頃までに左右の区別が明確になり、靴の左右の意識もしっかりと持つようになってくる。

Q.なぜ、子どもは「おすくり(お薬)」「プゼレント(プレゼント)」といったように言葉がひっくり返ってしまうのか

 口が発音しやすい形になったり、言い慣れた単語に引っ張られたりしてしまうから。音声学では音位転換という。でも、よく聞いていると母音の並びはそのまま。子どもなりにちゃんと聞いて似せている。

【番外編】子どもの行動に男女差ってあるの?

 単純に男だから女だからと言い切れない部分がある。例えば、赤ちゃんがどの程度の傾斜を降りられるかを母親に予測してもらった実験がある。実際は性別の関係なくある一定の傾斜を降りられたが、男の子の親の方が急傾斜を降りられると予測した。赤ちゃんの能力の予測まで男女差が影響している。

 つまり、自分の子どもに求める内容が変わる可能性があること。男の子だったらほっとくけど、女の子だったら手を差し伸べたりなど。こうした小さな積み重ねが能力差につながる可能性もある。

 男の子だから女の子だからということで、子どもが経験する内容に線引きしていないか、立ち止まって考えてみることは意味があるかもしれない。

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