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正しく使おうチャイルドシート 種類多数、体格に合わせて

2022年4月19日掲載
さまざまな種類があるチャイルドシート。機能や値段など、吟味して決めたい=山形市・トイザらス・ベビーザらス山形店
さまざまな種類があるチャイルドシート。機能や値段など、吟味して決めたい=山形市・トイザらス・ベビーザらス山形店

 子どもと一緒に車で出掛ける時に欠かせないチャイルドシート。種類が豊富で値段もさまざま。どういう基準で選んだらいいのだろう。また、高性能なシートを準備しても、取り付け方が適切でなかったら意味がない。自分の車のチャイルドシートは大丈夫と胸を張って言えるだろうか。購入や取り付け方のポイントを、販売店や日本自動車連盟(JAF)に聞いた。

 道交法では6歳未満の子どもはチャイルドシートの着用が義務付けられている。出産後、子どもが退院する時から必要になるため、妊娠中に準備しなければならない。

 では6歳になったらチャイルドシート卒業かというと、JAFでは身長140センチに達するまでの着用を推奨している。シートベルトの肩ベルトが首に当たらず、腰ベルトが腹部ではなく腰の辺りにあるのが適切な着用方法だが、これが可能になるのは140センチごろからだからだという。

チャイルドシートと年齢・身長の関係

 2020年度の学校保健統計調査を基にした、チャイルドシートと県内児童の年齢、身長の関係は図1の通り。本県小学1年生の平均身長は男子117.6センチ、女子が117.1センチ。140センチとなるのは小学5年生だ。個人差はあるが、6歳を過ぎてもしばらくはチャイルドシートを使った方が安全なようだ。

 山形市のトイザらス・ベビーザらス山形店で、シートの種類や値段について聞いた。店頭で約50種類を扱っているほか、オンライン販売もしている。固定方式は座席の金具とチャイルドシートを固定するISOFIX(アイソフィックス)タイプと、シートベルトで固定するタイプの2種類がある。同店では前者が5~8万円ほど、後者は2~3万円ほどの価格帯。安全基準、通気性などで値段が変わる。

体重をかけてチャイルドシートをしっかりと固定しよう=山形市・JAF山形支部
体重をかけてチャイルドシートをしっかりと固定しよう=山形市・JAF山形支部

 共働きが多い本県では、夫婦それぞれの車にシートが必要という家庭が多い。さらに祖父母の車にも、というケースもあるだろう。「メインの車にISOFIXタイプを、サブの車にシートベルトタイプ、という選び方をする家庭が多いのではないか」と同店。

 シートは乳児用、幼児用、学童用の3種類。乳児用はベビーシート、学童用はジュニアシートとも呼ばれ、兼用シートもある。体に合わせて替えていくのが一般的(図2)だ。タイミングは各家庭の子どもの数と年齢差によって異なる。車の台数も含めて吟味して決めたい。

 設置する座席の位置、取り付けのこつをJAF山形支部に聞いた。取り付けは後部座席で、より安全な乗せ下ろしを考えると歩道側(左側)がベストだという。体重10キロぐらいまでは後ろ向きが良い。シートベルトタイプを取り付ける時は体重をかけてしっかりと押さえ付けると、ぐらつきが少ない。子ども用ベルトはハーネスの長さを調整し、フィットしているか気に掛けてほしいという。

チャイルドシートの買い替えサイクル

県内の状況は?―6歳未満の使用率は84.4%、全国水準より高く

 実際のチャイルドシートの取り付け状況はどうなっているのだろう。2019年にショッピングセンターや大型の公園で行った、警察庁とJAFによるチャイルドシートの使用状況調査によると、6歳未満児の使用率は70.5%だった。本県はこれを上回る84.4%で、全国水準より高い使用率だった。一方で、5歳児に限って見ると全国の着用率は48%にとどまり、県内でも同じ傾向があるという。

 交通事故や取り締まり状況はどうか。昨年までの5年間における、車に同乗中の6歳未満児の死傷者について県警に聞いた。この間の死者はおらず、昨年のけが人は27人。17年の58人から半数以下に減っている。チャイルドシートは多数が着用していたが、非着用者が一部いた。チャイルドシートに関する検挙件数は17年に579件だったが、年々減少し、昨年は227件だった。

【メモ】

 ISOFIXタイプは金具で簡単に固定でき、装着ミスが少ない。回転機能やリクライニング機能が付いていることが多く、乗り降りさせるのが便利だ。一方で重いため、装着した後にまた違う車に移して取り付けるのは手間がかかる。シートベルトタイプは、ベルトを目いっぱい引っ張って、チャイルドシートと座席を固定する。ISOFIXタイプと比べると軽く、簡単に取り外ししやすい。値段も安め。取り付け方が複雑なものもある。

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