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おせちってなぁに? 米沢栄養大に聞く

2021年12月21日掲載
鈴木美穂講師
鈴木美穂講師

 もうすぐ新年を迎える。正月に欠かせないのがおせち。「作るのが大変そう」「そもそもなぜ正月に食べるの?」と思っている人もいるはず。県立米沢栄養大(米沢市)を訪ね、おせちの由来、栄養価、地域の特色などあれこれを聞いてみた。子どもが好きそうな3品のレシピも伝授してもらった。一年を振り返り、新しい年に思いを巡らせながら作ってみてはどうだろう。

由来、特徴、栄養バランス―神様へのお供え、保存も利く

鈴木美穂講師
鈴木美穂講師

 おせちの由来について教えてくれたのは、同大健康栄養学部の鈴木美穂講師。語源は「節供(せっく)」であるとされ、季節の節目にあたる「節日(せちび)」に宮中で神様へのお供えをしたことだという。節日は年に5回あり、これを「五節供」と言ったが、やがて新年を迎える最も重要なお供え料理が「おせち」となり正月料理として定着した。

 おせちの特徴は日持ちすること。年神様を迎えるため、台所で煮炊きを控えて物静かにするべきとされており、このことから保存が利く料理が中心になったという。また、神様が食べたものを人間も食べてつながりを強くし、神様のご加護を願うという意味合いがあるため、両方の先端が細くなっている祝い箸を用いる。

 栄養バランスについても解説してもらった。土の中で育った根菜類はビタミン、ミネラルを豊富に含んでいることから、体を温め、免疫力アップが期待できる。根菜のほか、昆布には食物繊維が豊富。魚のすり身を使うかまぼこ、だて巻きの卵、エビ、黒豆はタンパク質を豊富に含むという。鈴木講師は「おせちは季節の食材を使って保存も利き、栄養バランスにも優れている。理にかなった料理だと言える」と話した。

県内では何食べる?

 県内の年末年始の食の特徴は、どのようなものがあるのだろうか。健康栄養学部の斎藤寛子助手に聞いた。

 県内では元旦よりも大みそかを重視する献立が多かったが、近年では全国標準的な家庭が多くなったとみられるという。

 雪国であることから昔は冬場の食材が少なく、乾物や塩蔵品を上手に用い、ハレの食を作ってきた。県内の広範囲で食べられるのが、ひょう干しの煮物。「ひょっとしていいことがあるように」や「無病息災」など願掛けの意味合いがある。鯉(こい)は海から離れている内陸でも入手できる魚であり、ごちそう。現在でも甘煮(うまに)として食べられる。

◆黒豆
【材料】 黒豆200グラム、水6カップ(1200ミリリットル)、砂糖150グラム、しょうゆ大さじ1(18グラム)、塩小さじ1(6グラム)、重曹小さじ1/2(3グラム)
【作り方】
    ▽1日目
  • (1)黒豆は洗って水気を切る。
  • (2)鍋に水を入れて火にかける。沸いたら火から下ろし、熱いうちに砂糖、しょうゆ、塩、重曹、黒豆を加え、室温で一晩置く。
  • ▽2日目
  • (3)(2)の鍋を強火にかけ、沸いたら丁寧にアクを取る。途中数回さし水(カップ1/2)を加え、再び煮立ててアクを取る。(2~3回繰り返す)
  • (4)アクをすくい取ったら、落としぶた(キッチンペーパーでもよい)をし、鍋のふたは隙間を空けて、ごく弱火で約6時間煮詰める。黒豆が煮汁からでないよう適宜湯を足す。
  • (5)黒豆を指でつぶして簡単につぶれる軟らかさになったら火から下ろし、一昼夜おいて味を含ませる。

  • ◆だて巻き(14センチ×2本)
    【材料】 卵4個、白はんぺん1枚、みりん大さじ1弱(18グラム)、砂糖大さじ1強(10グラム)、サラダ油大さじ1強(13グラム)
    【作り方】
    • (1)白はんぺんは1センチ角に切ってすり鉢ですりつぶし、砂糖とみりんを加えよく混ぜ、卵を1個ずつ加えすり伸ばしておく。(材料をミキサーに入れて滑らかになるまで混ぜてもよい)
    • (2)卵焼き器(14センチ×18センチ)にサラダ油を半量入れて温め、(1)を半量流し入れる。ふたをして弱火で5分ほど加熱する。
    • (3)表面積の半分ほど固まったら裏返し加熱する。
    • (4)十分に焼けたら鬼すだれに取り、手前から1センチ間隔で横に6本切れ目を入れる。
    • (5)しっかりと巻き込み、両端を輪ゴムで留める。巻き終わりを下にして冷めるまで寝かせ、好みの厚さに切り分ける。これを2本分繰り返す。

    ◆栗きんとん
    【材料】 栗(甘露煮)小瓶1本、サツマイモ1本(400グラム程度)、クチナシの実1個、水3カップ(600ミリリットル)、砂糖大さじ9(80グラム)、みりん大さじ2と1/2(45グラム)、塩ひとつまみ (砂糖、みりん、塩の代わりに栗の甘露煮のシロップを使ってもよい)
    【作り方】
    • (1)サツマイモは2センチの輪切りにし、皮をむいて水にさらす。
    • (2)鍋にサツマイモと水、クチナシの実(砕いてガーゼに包む)を入れて火にかけ、軟らかくゆでる。(クチナシの実はなくても、サツマイモの種類によってはきれいな黄金色になる)
    • (3)サツマイモをざるにとって水気を切り、熱いうちに裏ごしする。(ポテトマッシャーで細かくつぶしてもよい)
    • (4)サツマイモを鍋に入れ、砂糖、みりん、塩を加えて中火にかけながら木ベラでよく練り上げる。
健康、金運、明るい未来―込められた意味いろいろ
  • 黒豆
  • 豆は健康や丈夫という意味を表す言葉で無病息災を願う。「まめに働く、暮らす」という意味も。
  • 数の子
  • ニシンの卵の数の多さから、子孫繁栄を願う。
  • 田作り
  • カタクチイワシをまいて田畑が豊作になったことから、作物がたくさん実るように。
  • 紅白かまぼこ
  • 半月の形は日の出を表す。紅色は魔よけ、白色は身を清める意味がある。
  • 昆布巻き
  • 「喜ぶ」にかけて縁起を担ぐ。また「養老昆布」と書けるため、不老長寿を願う。
  • だて巻き
  • 形が巻物に似ていることから「知恵が増える」「勉強ができて賢くなる」ことを願う。鮮やかな色から、派手・おしゃれを意味する「だて」を用いたという説も。
  • 栗きんとん
  • 漢字で「金団」と書くことから、金の集まったもの、財宝に例えられ、金運を呼ぶとされる。
  • レンコン
  • たくさん穴が開いていることから、先が見通せる明るい未来を願う。
  • ゴボウ
  • 地中に深く根を張っているため、一家の土台がしっかりするように。
  • エビ
  • 腰が曲がるまで丈夫で長生きできるように。赤色は魔よけの色とも言われている。
  • めでたいの語呂合わせ。
  • 紅白なます
  • お祝いの水引をかたどっている。
  • サトイモ
  • 掘り起こした時に親芋、小芋、孫芋とたくさん出てくる様子から、子孫繁栄を願う。
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