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本紙記者・パパの一歩(上) 進む育休取得…でも不安

2021年11月2日掲載

 報道記者として昼夜問わず現場を駆けている自分(29)に8月10日、待望の第1子・長女が誕生した。子どもの成長は早い。少しでも近くで見ていたいと、翌月から1カ月の育児休業をもらった。父親による育児は今や当たり前で、子どもに関わる時間を少しでも長く欲しかったのが理由だ。社会風潮的には男性の子育て参加は背中を押されているが、育休を取る上での不安や男性が子育てしづらい社会環境など、さまざまなハードルがあることにも気付かされた。自分が育休を通じて感じたことを2回にわたり紹介する。

 コロナ禍での出産だったため立ち会いはかなわず、娘との初対面は出産から1週間後の退院日。わが子を腕に抱いた時は思わず涙があふれた。そこから育休に入り、パパになったんだという実感が改めて湧いた。“子育て”の長い道のりが幕を開けた。

一生懸命にミルクを飲む娘を見るのは幸せな時間だ=鶴岡市
一生懸命にミルクを飲む娘を見るのは幸せな時間だ=鶴岡市

 育休の1カ月間は、鶴岡市に里帰り中の妻(30)の実家で過ごした。家事は妻の父母に頼ることがほとんどで、非常に恵まれていた環境ではある。妻が一番に希望したのは夜泣きの対応。産後のダメージは想像以上に大きそうで、しっかり回復してもらいたいと張り切った。子供に予兆もなく起こされ、寝不足気味だったが、一生懸命にミルクを飲む様子や天使のような寝顔を見るのは幸せだった。

■減る収入

 一方で、育休の取得には不安もあった。一つは給与面。育休中は育児休業給付金(給料の67%。ただし、181日目からは50%)を受けられるが、収入が減ったままでは長期間の休みは取りづらい。

 近年は男性が育休を取ることは珍しくない。鶴岡市の保険会社で働く友人は第2子誕生を機に今年6月に1カ月間の育休を取った。友人は「家のローンや上の子の保育園もあり、生活費がいつもより少ないのが続くと厳しい」とこぼし、「サラリーマンはみんなそんなものか」と続けた。

■同僚の負担

 制度としては男性も1年間の育休が取れるとはいえ、仕事上のキャリアを考えると長期休暇に二の足を踏む。ただ、復職のことを考えると、出産という大役を終え、体の回復を待たなければならない女性の方が不安が大きいのではないかと思う。理解のある先輩方に恵まれて育休を取得できたが、育休に伴う周囲への負担増は申し訳なかった。

 間もなく第1子が生まれる先輩記者(32)は、妻の仕事を支えるため半年間の育休を取りたいと考えているという。「同僚には負担を掛けるが、産後休暇後に早く仕事に復帰したいという妻の思いを尊重したい」と先輩記者。

■柔軟に働く

 山形労働局によれば、子育てのために長期間休むことに対して会社の理解が得られないという相談が男女問わずあるという。人手不足に陥る懸念のほか、本県は三世代同居率が高いことから、子どもの面倒を見てくれる家族がいることも背景にあるのだろう。政府は、7.48%(2019年度)と低迷する男性の育休取得率を25年に30%まで引き上げる目標を掲げる。代替要員の確保や会社の理解という課題が解消されない限り、目標達成は容易ではないだろう。

 男性の子育てについて、社会は単に育休取得のみに焦点を当てるだけでいいのだろうか。月単位などまとまった期間に休むだけではなく、保育所や学校からの突然の呼び出しや、毎週決まった曜日に休む方法やリモートワークの推進など柔軟な働き方ができれば、男性も補助的にではなく、主体的に育児に取り組めるのだろう。娘の口に哺乳瓶を当てながら思いを巡らせた。

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