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子どもの歯のケア、どうしよう? 高畠の歯科医師・庄司さんに聞く

2021年10月5日掲載
子どもの歯磨きの仕方について解説する庄司加奈子さん=高畠町高畠・ますぶちデンタルクリニック
子どもの歯磨きの仕方について解説する庄司加奈子さん=高畠町高畠・ますぶちデンタルクリニック

 子どもが生まれてしばらくすると、歯が生えてくる。成長を感じる一方で、気になってくるのは歯のケアの方法。「まずは何から始めたらいいの」「うちの子、歯磨きをものすごく嫌がるんだけど」「生え替わりの頃はどうしたらいいの」と悩みを抱えるママやパパも多いのでは。子どもや赤ちゃんの歯のケアにも力を入れるますぶちデンタルクリニック(高畠町)の歯科医師で、3児のママでもある庄司加奈子さん(40)に話を聞いた。

■生え始めから1~3歳ごろ―歯磨き、少しずつでOK

 -歯はいつごろから生えてきますか。生えてくるサインは。

 「一般的に生後6カ月ごろから下の前歯から出てきます。次は上の前歯です。生えてくるサインは、歯ぐきが盛り上がってくる、唾液が増えるなどです。一時的にむずがゆかったりするので、おもちゃをかんだり、自分の手をかんだりする傾向があります」

 -生えてきたらどんなケアが必要ですか。生えてきたら歯医者に行った方がいいですか。

 「歯が生えてきたら、いきなり歯ブラシではなく、歯磨きシートやゴム状の歯ブラシから慣れていくといいでしょう。おっぱいや哺乳瓶以外のものが口に入るという感覚をまずは覚えさせるといいと思います。理想は歯が生えてくる前に、かかりつけ歯医者は選んでおきましょう。歯が生える前から歯医者に行くことで、歯が生えたときのブラッシングの仕方や歯ぐきケアも指導できます」

 -歯磨きを嫌がって子どもが毎日大泣きします。うまくいくこつはありますか。

 「1、2歳のころは特に歯ブラシは嫌々です。きょうは上の歯を頑張ろうなど、少しずつ磨いていくのでも良いと思います。3歳ぐらいになると、『むしバイキングが歯について穴あけちゃうよ!』と言うと理解してやろうとするので、磨きやすいと思います」

■生え替わりのころ―仕上げは効率よく、約3分

 -生え替わりは何歳ごろから始まりますか。グラグラしている場合はどうしたらいいですか。

 「下の前歯から生え替わりが始まります。最近では早い子では保育園・幼稚園の年中から生え替わります。個人差が大きいので特に抜けないからといって焦る必要はありません。歯がグラグラしてきて、後ろから永久歯が見えてきた場合は、歯医者で抜きます。生え替わりの時期はプラーク(歯垢(しこう))がたまりやすいため、ブラッシングは優しく歯茎にあてて磨いてください。部分用の歯ブラシを使用すると効率的です」

 -親はどれくらいの時間をかけて磨いてあげたらいいですか。また、何歳ぐらいまで親が歯磨きに関わったらいいですか。

 「親の仕上げ磨きは3分ほど。効率よく、磨く順番を決めましょう。仕上げの期間は、6歳臼歯(乳歯の奥に生える永久歯)がかみ合うようになるまで続きます。これも個人差がありますが、急にやめるのではなく、3日に1回や2日に1回などとお子さんの口の状態と相談して決めていきます」

 -朝に時間がないとき、うまく磨けないまま学校や幼稚園、保育園に行かせてしまいます。いいでしょうか。

 「朝時間がなくて歯磨きができないことは、子育てでは『あるある』だと思います。私もあります。ガックリせず、夜寝る前に念入りに磨けばいいです。朝食を食べた後に洗口剤(ノンアルコールタイプ)でうがいをする、または時短のために電動歯ブラシを使用したりしてもいいと思います。ただ、電動歯ブラシに頼り切ってしまうと、磨き方が分からなくなってしまいます。夜は普通の歯ブラシで磨いてみましょう。使い分けすることがポイントです」

 -奥歯をうまく磨くこつは。

 「奥歯には部分用歯ブラシを使用するといいと思います。仕上げ用歯ブラシも使用しながら、奥歯の溝は深いのでいろんな方向から歯ブラシをあててみてください」

 -子ども用歯磨き粉の選び方は。イチゴ味、ブドウ味などありますが。

 「歯磨き粉は何でも好きなものでオッケーです。フッ素配合は積極的に使用しましょう。継続使用で予防効果が高まります。歯科医院でのフッ素塗布は高濃度ですが、歯磨き粉に入っているフッ素は低濃度で毎日のケアに使用できます。生え始めから2歳ごろまでは、歯ブラシの毛先1列分くらい、3歳から5歳くらいでは、5ミリ以下が目安です。うがいは1回だけにして、夜ならすぐ寝ましょう」

 -歯並び、矯正はいつごろから気にしたらいいですか。

 「歯並びは3歳を目安に判断します。歯並びやかみ合わせが悪くなる要因は、乳歯を虫歯などで早くに失うことのほか、歯と顎の骨の大きさのバランスが悪いことで永久歯が生える場所がなくなることなどが挙げられます。歯と顎の大きさは遺伝もあります。柔らかいものばかり食べると十分顎が成長しません。出っ歯や受け口の中には遺伝的要因もあります。おしゃぶり、指しゃぶりなどの癖、ほおづえ、うつぶせ寝など生活習慣も関係します」

【歯ブラシいろいろ】

歯ブラシ
歯ブラシ

 歯ブラシにはさまざまな種類があり、指にはめるゴムブラシ、部分用などがあり、上手に使い分けたい。親が使う仕上げ磨き用は、持ち手からブラシまでが子ども用より長い。子ども用歯ブラシの中には、ぐにゃりと曲がるタイプもある。

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