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家族で食事、心にも栄養 やまがた食育ネットワーク代表岡田まさえさんに聞く

2021年4月6日掲載
食事や栄養のバランスの重要性を説く岡田まさえさん=山形市
食事や栄養のバランスの重要性を説く岡田まさえさん=山形市

 農林水産省による食育活動表彰で昨年、ボランティア部門最高賞の農林水産大臣賞を受けた「やまがた食育ネットワーク」。食育基本法制定(2005年)以前から食の大切さを訴えてきた同団体代表の岡田まさえさん(天童市、沖縄県出身)に、食育活動に込める思いを聞いた。

 岡田さんは「食は生きる原点」とし、予防医学の観点から食生活や栄養の知識を広める活動に取り組んできた。管理栄養士として山形済生病院(山形市)に勤務した1996年から、母親学級を通じて妊婦に食の重要性を呼び掛け続けた。

 朝ご飯は特に1日の遊びや活動の源となり、免疫力アップにつながる。県内の習慣的な朝食欠食率(2016年、週2回以上欠食している人)は、20代で最も多く、男性が46.5%、女性は36.6%。1996年以降の調査結果からは年々増加傾向にあることが分かる。

 「お母さんにエールを送りたい! 働く主婦は時間が足りない。手抜きは大いに結構」と笑う。朝食なら、ご飯に納豆、野菜たっぷりみそ汁はどうか。みそ汁を作る時間もない!という朝は、沖縄の郷土料理「かちゅー湯」(かつお節とみそに熱湯を注いだもの)が手軽でいいとお薦めした。目安となる栄養バランスは、全体の55%が炭水化物の食事という。

 「山形はコメがおいしい」と繰り返す岡田さん。鶏そぼろを入れて混ぜご飯に、余ったらチャーハンに。すしのもとを入れたご飯にのりや錦糸卵をのせても。コメどころでもあり、さまざまな食べ方がある米食を推奨する。

 さらに、豊かな食事時間を提案した。子どものしつけは気になるが、楽しく食べることを優先してはどうか。「家族で食べることによる心の栄養も大事。『しつけ』が『おしつけ』にならないように」。箸の持ち方や食べ方を細かく注意されたら食べるのが嫌になってしまうと、子どもの心をおもんぱかった。

 新型コロナウイルス感染拡大は、食事環境にも影響を及ぼしている。ステイホームが定着し、家族が一緒にいる時間が増えた。親子で料理を作ったり、持ち帰った専門店の料理を囲んだりする機会が生まれ、関係が深まった家族がある。一方で、経済状況が不安定な一人親世帯は食事がおろそかになってしまうケースも。子ども食堂など、地域のつながり強化を期待している。

 不規則な食事は体力の低下を招きかねない。「薬と違って、食事は体への効果も副作用も先。しっかり栄養を取っていれば50代でも60代でも元気に働ける。不規則な食事をしていると、30代から疾病が増える」と警鐘を鳴らす。「医療費が膨らんで未来の子どもたちに借金を残すことがないように。健康は大人の責任」。日頃の食事の重要性を改めて強調した。

 
【やまがた食育ネットワーク】

食育基本法を機に東北農政局の呼び掛けで2006年にスタート、2年後に民間団体となった。現在は県内各地の食育推進団体やNPO法人など約60個人・団体で構成。会員同士が得意な分野を生かして活動をサポートし合うほか、年1回の全体会を開催する。

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