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「お母さん業界新聞・山形市版」が50号 創刊の多田理恵さん

2020年2月2日掲載
編集長の多田理恵さん(左)
編集長の多田理恵さん(左)

 山形市内の母親たちが発行している「お母さん業界新聞 山形市版」が50号を迎えた。福岡県出身で本県にIターンした多田理恵さん(38)=山形市=が“孤育て”から抜け出したいと2016年に始めた新聞づくり。現在は15人ほどの仲間と一緒に、同じような悩みを抱える母親たちを勇気づけている。ここまでくるのに、どんな道のりがあったのだろう。多田さんに聞いた。

-九州から山形へ。創刊のきっかけは。

 「11年4月に夫の転職に伴い新庄市に引っ越してきた。第1子出産後も夫以外に頼れる人がおらず、慣れない雪国の生活で気持ちが病んだ。かなりきつかった。13年に山形市に転居し第2子が生まれた。友達が欲しいと子育て支援センターや児童遊戯施設などに通ったが、なかなか輪に入っていけなくて。離乳食や授乳などの悩みをインターネットで検索するうちに出合ったのが『お母さん業界新聞』(お母さん大学発行=横浜市)だった。山形市版をつくって楽しいねと読んでくれる人となら、本音を語り合える友達になれるんじゃないかと思い、1人で始めた」

-製作費用は自腹。5年間こつこつと続け、発行部数は当初の30部から500部にまで増えた。活動に共感してくれる仲間もできた。

 「幼稚園や小学校では、『○○ちゃんママ』『○○さんの奥さん』とよく言われる。でも私には私の名前がある!というのが原動力になった。『お母さんたちだってやりたいことがあるのに、子どもがいるからできない』ではなく、『子どもがいるからできる』『子どもがいてもできる』という姿を新聞づくりを通して見せたい」

-記事の執筆だけでなく、配布に向けて山形市版と全国版を重ねて二つに折る作業も特徴的では。
お母さん業界新聞の山形市版と全国版を重ね合わせながらおしゃべりをするメンバーたち=山形市・江南公民館
お母さん業界新聞の山形市版と全国版を重ね合わせながらおしゃべりをするメンバーたち=山形市・江南公民館

 「記事は毎月数人がコラムを担当し、子育ての気づき、しんどい気持ち、これからの暮らしについてなどをつづっている。毎月1回、山形市版と全国版を合わせて二つ折りにする作業は、『折々おしゃべり会』と称して山形市内の公民館で開催している。作業自体を目的にしているので、初対面でもあまり気負わずに参加できるようだ」

-現在、8歳の長男と5歳の長女を持つ多田さん。育児についてどう思っているのか。

 「私自身、たかが育児と思っていた時期があった。だから子どもを出産してつらいときも、誰にも頼れなかった。でも子育ては一大事業。『お母さん、すごい』って誰も言ってくれないけど、みんな頑張っている。お母さんたち自身がすごいことをやっているという自覚や誇りを持てる世の中になるといいな」

-今後の展開は。

 「“ママ友”以上に本音を語れる友達が欲しいという自分の目標は達成できた。これからは、かつての私のように孤独を感じている人が、友達を見つけられる場にしたい。新聞を置いてくれる場所も増えている。まちで新聞を見たときに、お母さんの味方がいるよという目印になるように活動していきたい」

2016年に創刊した「お母さん業界新聞 山形市版」。市内のお母さんたちが子育てや日常生活の思いをつづってきた
2016年に創刊した「お母さん業界新聞 山形市版」。市内のお母さんたちが子育てや日常生活の思いをつづってきた
【メモ】

「お母さん業界新聞 山形市版」はB4判1枚の両面印刷で450~500部発行。山形市内外の子育て支援センターやスーパーなど約30カ所で無料配布している。折々おしゃべり会のほか、悩みを打ち明け合う「“正直しんどい”母の会」、「お母さんのための手芸部」などを開催している。問い合わせは多田さんokaasan.univ.yamagata@gmail.com

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