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乳幼児の心、どう育つ? 東北文教大・福田准教授が解説

2020年9月15日掲載

 「よく耳にする『自己肯定感』って、どうしたら育つの?」「いろいろ話し掛けているけど、この子はどこまで分かってるのかな」-。乳幼児の情緒や言葉の発達について、東北文教大子ども教育学科の福田真一准教授が先月、山形市内で講演した。「発達はさまざまで、個人差が大きい」と前置きし、平均的な心の発達過程について解説した。マザーズジョブサポート山形(同市)が子育て支援者養成講座の一環として開催。講演内容を紹介する。

ぬいぐるみを使い、ユーモラスな掛け合いを見せた福田真一東北文教大准教授=山形市
ぬいぐるみを使い、ユーモラスな掛け合いを見せた福田真一東北文教大准教授=山形市

■情緒─理解示し、愛着築く

 アタッチメント(愛着=特定の人との愛情の絆)が形成されるのは生後6カ月から3歳ごろまでの時期。愛着を築く特定の人は、父母、祖父母、保育士など複数で、1人で背負うものではない。アタッチメントが形成されると、相手を信じると同時に自分が価値ある存在と思えるようになり、信頼が生まれる。そうして自信や自己効力感(自己肯定感)につながっていく。

★信頼を生み出す安定した結び付きをつくる関わり方のポイント
     
  • 子どもが不安がったり苦痛があったりしたときは抱きしめてなだめる
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  • 子どもが泣いたり笑ったりしたときにその感情を受け止め、感度良く応える
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  • 子どもの疲れ、目そらしに敏感に気付き、配慮する
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  • 訴えに理解を示し、適切に対応する
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  • 子どもの発信に、一貫性のある態度で応える。呼び掛けたり求めたりすれば応えてくれると子が学ぶことで信頼感が育つ

■言葉─関心を示したら声掛け

 1歳になるまでは発声の練習と、社会のルールを学ぶ。例えば、物と関わる場面を想定すると、子どもが音が鳴るクマの形のおもちゃを触ったとき、大人が「クマさんだね、音が鳴ったね」と描写する。すると、自分の行動に大人が反応してくれることを理解する。大人の何気ない動作の中で、社会的慣習やルール、その言語圏での生活習慣文化を学び、身に付けていく。

 1歳半ごろになると、単語がはっきりしないものの長い発声「ジャルゴ」が出てくる。50単語くらい覚えた頃から、覚える単語数がぐっと増えてくる。話す単語や文字の読みなど言葉の発達は、年齢が上がるにつれて個人差がどんどん大きくなる。大人が早い、遅いと見てしまうけれど、子どもがいつ身に付けるかを決めている。「知りたい!」「今はいいや」と関心が向くかどうかで差が出ている。子どもの関心が高い物事に対し、大人が声掛けする方が子どもの理解は進みやすい。

 ★言葉の理解を進める関わり方のポイント
     
  • ゆっくりしたテンポで、短く、はっきりと話す
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  • 子どもが関わっている物事について、大人が語り掛ける

■思考─未体験の学習、まだ苦手

 2歳ごろまでは自分が見たり聞いたり触ったりしたものから知識を増やす。子どもは目の前の積み木を滑り台に見立てて遊んだり、ままごとをしたりして、イメージする力や考える力を育んでいく。

 7歳ごろまでには、目の前にない過去や未来をイメージして考えられるようになる。論理的な思考は小学校に入ってから発達するので、小学生は生活の中で体験したことのない学習がまだ苦手。「水500グラムと塩30グラムを交ぜたら何グラム?」「え? 塩が見えなくなった…、0グラムになった? 合わせて500グラム???」となる子もいる。

 「もし地球から水がなくなったら?」などと、抽象的なことも論理的に考えられるようになるのは中学生くらいになってから。

■感情─2歳で大人とほぼ同じ

 心の動きを「なんだか変な感じ」という認識から、1歳半ごろには「おいしい」「恥ずかしい」「怒り」が分かるようになり、「うらやましい」「寂しい」が増え、2歳ごろには大人とほぼ同じ種類の感情を持っているとされる。

 2歳までは自分の感情を表に出すことを優先させるのが大事。2歳ごろからは相手の気持ちに関心を示すようになる。自分と相手を切り離して、相手の気持ちを見詰めることができるようになる。4歳ごろからは相手を思いやる行動が増えてくる。

 ★感情の理解が進むようになる関わり方のポイント
     
  • 心は目に見えないので、大人が感情につながる気持ちを「寂しいね」「怒ってるんだよね」「我慢したね」と言葉にする
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  • 大人が共感し寄り添ってくれるという体験を子どもが持つ
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