わいわい子育て

アラカルト

産後の不調、早めに解消 理学療法士・山口さんに聞く

2020年5月19日掲載
のけぞるような姿勢のため硬くなってしまった太もも裏の筋肉を伸ばし、おなかの深部の筋肉に刺激を与えるストレッチ。タオルを片足にかけ、軽く引っ張る。膝をまげたままでも良い
のけぞるような姿勢のため硬くなってしまった太もも裏の筋肉を伸ばし、おなかの深部の筋肉に刺激を与えるストレッチ。タオルを片足にかけ、軽く引っ張る。膝をまげたままでも良い

 山形市飯田西4丁目で女性向けのコンディショニング&フィットネスジム「moshe」を4月にオープンさせた理学療法士山口広樹さん(33)に、妊娠から産後の体の変化によって生じやすい身体的トラブルを抱えるママたち向けに、簡単にできるストレッチ(柔軟体操)とエクササイズ(筋肉運動)について聞いた。

 山口さんはジムをオープンする前、市内の総合病院で10年間勤務し、患者だけでなく同僚女性医療スタッフの体の悩みなどにも耳を傾けてきた。産後の体の不調を引きずったままにすることで、慢性的な体のトラブルにつながってしまうことが多くある現状を目の当たりにし、早い段階から自分の体と向き合うことが大切だと感じたという。

 山口さんによると、特に妊娠期は胎児の成長とともにおなかが大きくなることで体をのけぞってしまい、バランスを取るため猫背になる傾向が出てくるという。さらに産後、赤ちゃんの抱き方や授乳時の姿勢などの育児習慣によっても姿勢の崩れが助長され、体の負担が一部に集中し、筋肉などに痛みが生じやすくなる傾向がある。また、出産に向けて、骨盤周囲の筋や靱帯(じんたい)が緩みやすくなる現象が起きる。産後に緩んだ骨盤周囲が元に戻らず、腰痛や恥骨痛、尾骨痛などが生じやすくなってしまう。出産で引き伸ばされた骨盤底筋群の機能低下により、腹圧がかかる場面で尿失禁になってしまうこともあり、注意が必要だとする。

 産後に妊娠前の体重に近づけようと、体重に絞ったダイエットをする人が多いが、痛みや尿失禁などの根本的な解決にならず、その後も身体的トラブルが続いてしまう恐れがある。産後の時期に応じたストレッチやエクササイズで、妊娠期から変化した姿勢の修正と筋活動の再活発化が重要となる。今回おすすめするのは、産後に軽めの運動が許可されたママたち向けだが、姿勢や腰痛に悩む人たちにも有効だ。約30秒間キープし、5回セットで行って、過剰な痛みや疲労がある場合は控えてほしい。

猫背改善

猫背改善につながるストレッチ。大判タオルを丸めて肩甲骨あたりに敷く。あお向けになり、頭を両手にのせ、肘を開いて、あごは引く。膝を立て、腰を床に付けて行う
猫背改善につながるストレッチ。大判タオルを丸めて肩甲骨あたりに敷く。あお向けになり、頭を両手にのせ、肘を開いて、あごは引く。膝を立て、腰を床に付けて行う
猫背を改善するエクササイズ。いすに座って、肘を開いて頭にのせる。前を見て、腰を反らないように、肘を開きながら肩甲骨を寄せるイメージ
猫背を改善するエクササイズ。いすに座って、肘を開いて頭にのせる。前を見て、腰を反らないように、肘を開きながら肩甲骨を寄せるイメージ

骨盤周り

骨盤を妊娠前の状態に戻すためのストレッチ。あお向けになり、足を組んで下側の膝の内側を床に近づける
骨盤を妊娠前の状態に戻すためのストレッチ。あお向けになり、足を組んで下側の膝の内側を床に近づける
お尻の筋肉と骨盤底筋を鍛える。あお向けになり、ボールを膝にはさみ、お尻を持ち上げる。腰を反らないように膝を遠くに移動させるような感じで挑戦
お尻の筋肉と骨盤底筋を鍛える。あお向けになり、ボールを膝にはさみ、お尻を持ち上げる。腰を反らないように膝を遠くに移動させるような感じで挑戦
緩んでいる骨盤底筋をひきしめるエクササイズ。いすに座り、タオルをお尻の下の真ん中に敷き、ぶつかる部分を上に持ち上げる感覚で行う
緩んでいる骨盤底筋をひきしめるエクササイズ。いすに座り、タオルをお尻の下の真ん中に敷き、ぶつかる部分を上に持ち上げる感覚で行う
[PR]