わいわい子育て

アラカルト

こつを知り、家族キャンプにトライ 手軽に楽しく安全に

2018年7月3日掲載

 自然に抱かれながらバーベキューやテント泊を楽しむキャンプ。あこがれはあっても、多様な用具をそろえるのがネックとなり一歩を踏み出せない家庭も多いのではないか。そこで、県キャンプ協会メンバーに手間を減らす家族キャンプのこつを聞いた。

 アドバイスしてくれたのは同協会の佐東治副会長(55)=東北文教大教授=と石井勝事務局長(54)。準備すべき用具はどれほどあるのか-。こんな不安が二の足を踏ませる。佐東副会長は言う。「全てを買いそろえる必要はない。寝袋の代わりに毛布、炊事にはカセットこんろを活用するなど家庭にあるもので代用できる。レトルトのカレーやご飯、缶詰などを用意すれば炊事も楽になる」。程よく手を抜くことで、心理的なハードルはぐっと低くなる。同協会や少年自然の家などが企画するキャンプイベントに参加するのも一策だ。

	キャンプでは子どもと一緒に作業することを心掛けたい。絆も深まり、大人も助かる=大江町・県朝日少年自然の家
キャンプでは子どもと一緒に作業することを心掛けたい。絆も深まり、大人も助かる=大江町・県朝日少年自然の家

■長袖・長ズボン

 テントは寝室のみのタイプや、リビングスペースを備えた2ルームテント、日よけのタープ付きのものなどさまざま。キャンプ場や少年自然の家などによっては用具を貸し出している場所もあるのでチェックしたい。テントの設営場所まで車で乗り入れできるキャンプ場もあり、テントの重量ばかりに気を取られず、機能性も考慮しながら選びたい。

 ランタンや懐中電灯など夜の光源を用意することはもちろんだが、快適性を高めてくれるのが折り畳み式のいすやテーブルだ。自然を満喫ながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる。

 安全確保も重要なポイント。寒さや紫外線などを防ぐために長袖・長ズボンを着用したい。靴下はすねの辺りまで隠れる長めのものを選べばかぶれや虫刺されを防げる。熱中症予防に帽子も必須だ。軍手(いぼ付きでないもの)も何かと活躍する。

■力を信じて

	カセットこんろを使えば炊事もぐっと楽になる。折り畳み式のいすがあれば体力の消耗も防げる
カセットこんろを使えば炊事もぐっと楽になる。折り畳み式のいすがあれば体力の消耗も防げる

 キャンプの醍醐味(だいごみ)は共同作業を通じ、参加者が一体になれること。石井事務局長はこう説く。「子どもをお客さん扱いせず、参加者の一人として尊重することが大切」。テント設営や荷物運び、炊飯時の野菜の下処理、米とぎなど年齢に応じた役割を与え、一緒に活動することを心掛ける。子どもに自ら活動する自覚が芽生え、大人も助かりの一石二鳥だ。

 自然の中で時間を気にせずゆったりと過ごすのはこの上ないぜいたくだ。半面、テレビやゲームなどに触れることの多い日常から離れ「子どもに何をさせたらいいか分からない」と戸惑う親もいるかもしれない。だが、心配ご無用。佐東副会長は「子どもたちは自然の中で何かを見つけて遊ぶもの。その力を信じてほしい」と背中を押す。

 石井事務局長は図鑑や絵本の持ち込みを提案している。お勧めの一冊が「はっぱじゃないよ ぼくがいる」(文・写真=姉崎一馬、アリス館)。例えば、本を楽しんだ後に「人の顔と似た葉っぱを探しに行こう」と散策へと連れ出せる。虫眼鏡や笛など小道具があれば楽しみの幅が広がるはずだ。

	昆虫や植物に関する絵本などは、楽しみの幅を広げてくれる
昆虫や植物に関する絵本などは、楽しみの幅を広げてくれる
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