わいわい子育て

アラカルト

管理栄養士・佐々木さんに聞く 離乳食、ここに注意

2017年5月2日掲載

 離乳食は赤ちゃんの成長を促し、大人と同じ食事を取るための第一歩。頭を悩ませることはたくさんあるが、栄養バランスを考え、おいしく食べられるように試行錯誤するのは育児の楽しみでもある。わが子を思いいろんな食材をあげたくなるが、乳児が食中毒やアレルギーを引き起こす食べ物も少なくない。乳児に与えてはいけないと知らずに蜂蜜を食べさせて死亡したケースも。妊娠中を含めて注意が必要な食材を山形市保健センター健康栄養係長で管理栄養士の佐々木信江さん(54)に教えてもらった。

ぱくぱく食べる赤ちゃんの姿はかわいらしい。成長段階に応じた食事を心がけ、元気に育てたい
ぱくぱく食べる赤ちゃんの姿はかわいらしい。成長段階に応じた食事を心がけ、元気に育てたい

■蜂蜜

 東京都で今年3月、蜂蜜を摂取した生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡したことは記憶に新しい。家族は発症の1カ月前から離乳食として1日2回ほど、計10グラムの蜂蜜をジュースに混ぜて飲ませていた。蜂蜜を与えてはいけないと知らなかったという。

 天然の蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがある。腸内環境が整っていない1歳未満の乳児が食べると、乳児ボツリヌス症にかかる恐れがある。死亡するケースはまれだが、哺乳力の低下や便秘などの症状が出る。通常の加熱処理では殺菌できないので要注意。母子手帳に注意事項として明記されているが、身近な食材のため見落としがちだ。1歳を過ぎた子どもや大人は問題ない。

■牛乳

 早い時期の牛乳も乳児への負担が大きい。消化能力が不十分な乳児は牛乳のタンパク質をうまく分解できず、アレルギーを引き起こす危険がある。「飲むのは1歳を過ぎてからが好ましい」と佐々木さん。加熱調理した料理であれば生後7~8カ月から。

■肉・魚・野菜類

 7~8カ月から加熱した鶏のささ身、9~11カ月になれば豚肉や牛肉が食べられるようになる。魚類は白身魚(5~6カ月)、赤身魚(7~8カ月)、青魚(9~11カ月)と幅が広がる。刺し身は2歳頃まで待った方が心配は少ない。

 ほとんどの野菜や果物は軟らかく煮れば9~11カ月までに使用できるようになる。ただし枝豆やグリーンピースはのどに詰まる恐れがあるため、すりつぶして使いたい。

 7~8カ月から加熱した鶏のささ身、9~11カ月になれば豚肉や牛肉が食べられるようになる。魚類は白身魚(5~6カ月)、赤身魚(7~8カ月)、青魚(9~11カ月)と幅が広がる。刺し身は2歳頃まで待った方が心配は少ない。

■食物アレルギー

 国は患者数や症状の重さから卵、乳、小麦、エビ、カニ、そば、落花生の7品目を「特定原材料」として加工食品への表示を義務づけ、それに準じる大豆や豚肉など20品目の表示を推奨している。身近な食材ばかりなので、一覧を参考にしてほしい。

■妊娠中の食事

 胎児の成長に影響を及ぼす妊娠中の食事も油断は禁物だ。一つは動物の腸管などに広く分布する細菌リステリアの食中毒。主な原因食品はナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモン。十分加熱することで予防できる。重篤度には個人差があるが妊婦は重症化しやすく、最悪の場合、流産の可能性がある。佐々木さんは「食べたから必ず食中毒を起こすわけではないが控えた方がいい」と話す。

 もう一つは魚の偏食による水銀の影響だ。魚には良質なタンパク質やドコサヘキサエン酸(DHA)、カルシウムが豊富に含まれる。健康的な食事には欠かせないが、妊娠中は少し注意して。一部の魚は食物連鎖の過程で、自然界に存在する水銀が体内に蓄積される。そのため、同じ魚を毎日食べ続けるなどした場合、胎児の発育に影響を与える可能性が指摘されている。

ぱくぱく食べる赤ちゃんの姿はかわいらしい。成長段階に応じた食事を心がけ、元気に育てたい

 厚生労働省のガイドラインによると、刺し身1人前、切り身一切れに含まれる水銀量を1個とした場合、マカジキは2分の1個。キンメダイ、メカジキ、本マグロは1個。バンドウイルカは8個。1週間に1個までが目安となる。サケやアジ、サバ、サンマなどは特に注意は必要ない。佐々木さんは「気にしすぎることはないが、いろんな魚を食べるように意識して」とアドバイスする。

 いずれもあくまで目安であり、何より大切なのは乳児の成長段階を見極めること。妊娠中から育児に至るまで食事に関する苦労は多いが、健康は何物にも代え難い。段階に応じた食事を心掛け、いつまでも笑顔で食卓を囲みたい。

[PR]