わいわい子育て

アラカルト

片付けのこつ 寒河江の国井さんに聞きました

2017年4月4日掲載

 さあ新年度。県内では花々が咲き始め、すっかり春めいてきた。心弾む季節なのに、部屋に目をやると子どもが散らかし放題…なんて悩んでいるパパやママもいるのでは。今回の「教えて! 先生」は、思考と空間の整理のプロ「ライフオーガナイザー」の国井周さん(38)=寒河江市寒河江=に、子どもと一緒にできる片付けのこつを聞いた。

国井周さん
国井周さん

 読んだら読みっぱなし、使ったら使いっぱなしの子どもたち。親が片付けても、すぐに散らかしちゃう。

 「片付けられないなら捨てちゃうよ」と言いたくなるが、恐怖心を与えることもあるからよくない。自分に帰る家があるように、物にも帰る場所があることを教えてあげてほしい。それぞれの物が帰る場所を親がざっくりと決めてあげて、そこに必ず戻すという習慣を付ける。

 それでもダメなときは、片付けられない物を親がそっと預かって「あなたが大事にしてくれないから、大事にしてくれる子のところに行っちゃったんじゃない」と言うのも一つの手。子どもに考える時間をあげてから「戻ってきたよ。大事にしてね」と返してあげて。

 子どもが片付けを苦手なのは当たり前。幼児期に片付けの楽しさや整頓された部屋の使いやすさを教えてあげると習慣が付き、物が増える小学生になっても自分で片付けができるようになる。

入れるだけ、立てておくだけなど子どもが簡単に片付けられるようにするのがポイント。場所はリビングではなく、子ども部屋に近い方がいい=寒河江市
入れるだけ、立てておくだけなど子どもが簡単に片付けられるようにするのがポイント。場所はリビングではなく、子ども部屋に近い方がいい=寒河江市

 片付けの習慣を付けるには?

 片付けるときにケースのふたや引き出しを開ける行為が必要だと、子どもはイヤになっちゃうもの。入れるだけ、立てておくだけ、下げるだけというようにワンアクションでできるようにする。

 幼児期はバケツや大きな紙袋をケース代わりにし、おもちゃは赤の入れ物、お絵描き関係は白の入れ物というふうに色分けすると分かりやすい。小学生になるとおもちゃ、学校の道具、塾の道具などさまざまなシーンごとに物が増えてくるので、ケースにラベルを貼ってあげるといい。

 ほかにお勧めの方法は。

 「利き脳」別にやり方を変えるのもいい。ひらめきやイメージで行動することが多い「右脳タイプ」は、親子でどちらが早く片付けられるかを競争するなどゲーム感覚でやってみては。論理的で文字に強い「左脳タイプ」は、繰り返し同じことをするのが好き。寝る前は片付けの時間と決めるなど、工夫してみてほしい。

 幼稚園や小学校で取り組んだ工作、絵画が年々増えていく。どうしたらいい?

 学年が上がるときに、いくつ残すのかを決めて整理しよう。子どもと親が残したい物は違うので、話し合いながら片付けるのがポイント。作品を写真に撮って残す方法もあるが、実は写真の整理そのものが大変。まずは作品の数を減らし、次に片付けるときに写真に残して作品を処分するというように、段階を踏んで取り組んでみて。

 この春、子どもと一緒に片付けに取り組もうというパパやママにエールを。

 子どもが片付けをしたら、大げさに褒めてあげて。きれいに片付いていなくても、認めてあげることが大事。親はあまり手出しせずに、子どもがやりたいようにさせてあげる。さらに、親子一緒に取り組む時間を設けて、親が片付けている姿を見せることも必要。

 片付いている部屋がいかに心地よいか、使いやすいかということを教えてほしい。何がどこにあるかがすぐ分かる、探さなくていい、怒られないというのが分かれば、子どもはだんだん片付けが上手になる。

小学生になったら、衣類は種類ごとに引き出しを分けてあげるといい。きれいに畳まずに、丸めて入れるだけでもすっきり片付く
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押し入れの下段に可動式のポールを付けてあげると、子どもも自分で服を掛けられるようになる
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