やましん住宅展示場/ハウジングプラザ平清水/家づくりコラム【家識(いえしき)】

家づくりコラム家識

(29)「テレワークに適した家づくり」

テレワークをする女性のイラスト

新型コロナの流行を機に普及し、意外にメリットの多い働き方として今後もニーズが高まりそうな在宅勤務、テレワーク。とは言え、本来はプライベート空間である住宅に仕事空間を設けてそれぞれを充実させるためには、さまざまな工夫や配慮が必要です。そこで、今回は快適かつ効率的に仕事がはかどるテレワークに適した家づくりを一緒に考えてみましょう。

1.あなたにとって理想的なワークスペースとは

一口にテレワークと言っても、職種や頻度、作業に必要なスペースなどによって理想とするワークスペースは変わってきます。大きく分けると(1)完全にワークスペースとして独立させる「個室タイプ」(2)緩やかに仕切る「セミオープンタイプ」(3)LDKや寝室の一角を活用する「オープンタイプ」(4)必要な時だけワークスペース化させる「兼用タイプ」が考えられます。それぞれのメリットや注意点などを紹介します。

(1)完全な個室タイプ

顧客への電話対応やオンライン会議が多い営業職や仕事の大半が在宅勤務という場合は、しっかり壁で仕切り、ドアも付ける完全な個室タイプがお勧め。家族が過ごすことの多いLDKから離れた場所に確保できればなお理想的です。生活感のある空間と距離を置くことで家族の声や音、画面への写り込みなどの心配もありません。オンとオフの切り替えもスムーズです。

(2)セミオープンタイプ

ワークスペースを間仕切り壁やブラインド、本棚などで緩やかに区切ってドアをつけない、周囲とのつながりを残すタイプです。リビングで遊ぶ子どもたちの様子がわかるようにしたい場合などに最適です。より集中力を要する仕事の場合は、昼間は使わない寝室の一角にワークスペースを設ける方法もあります。また、階段の踊り場やスキップフロアなど、高さや段差を生かしてプライベート空間と分ける設計も有効です。

(3)オープンタイプ

たとえば、LDKの一角にカウンターを設けてワークスペースにするなど、特に仕切りを設けない最も手軽なタイプです。家事や子育ての合間に仕事にとりかかりたい、あくまでもリモートワークは一時的、そんな働き方の人に向いています。子どもたちが宿題をしたり、趣味スペースとして利用したり、フレキシブルに活用できる点も魅力です。ただし、仕事道具や資料の収納・管理にはご注意を。

(4)兼用タイプ

間取りや広さにあまり余裕がない場合には、固定したワークスペースを設けるのではなく、時間や曜日によって使い分けるというアイデアもあります。夜は家族が集うLDKも日中は空きスペース、広々としたダイニングテーブルをデスク代わりにすれば仕事もはかどりそうです。また、来客時などは多目的に使用できて重宝な和室も普段の使用頻度は低くなりがち。休憩時には、畳の上で足を伸ばしたり、横になったり、リラックス効果の高いワークスペースとして活用できるのではないでしょうか。

2.専用の収納スペースを確保しよう

テレワークの効率アップには、仕事道具や書類などを収納するスペースの確保が欠かせません。家庭のものと混在しないように仕事専用の収納をワークスペースの近くに用意するといいでしょう。扉やロールスクリーンを付けて隠す収納にするか、スッキリまとめて見せる収納にするか、またはキャスター付きのワゴン収納で可動式にするかなど、仕事内容や確保できるスペースに合わせて柔軟に計画を立てましょう。

3.電源の確保もお忘れなく

パソコンやWi-Fiルーター、プリンター、充電器など、ワークスペースにはいくつもの電源を必要とするケースが多いのではないでしょうか。必要な機器の置き場所や電源の数などを事前に把握しておくことで、コード類がむき出しで危険だったり、掃除がしにくかったりといった不都合を回避することができます。

4.照明や窓、光の力で集中力アップ

仕事の効率アップには照明選びも重要。全体を照らす天井照明(アンビエント照明)の明るさは控えめにして、作業する場所を照らす照明(タスク照明)と組み合わせて必要な照度を確保するタスク・アンビエント照明が推奨されています。また、ワークスペースに窓を設けることができれば理想的です。明るさの確保というよりも休憩中に自然光で目を労ったり、外の風景を眺めてリフレッシュしたりすることが狙いなので小窓でも大丈夫。どこに小窓を設ければ庭が眺められるかなど、窓の位置にもこだわりたいものです。

<まとめ>

生活と仕事をバランスよく共存させられるマイホームのカタチはさまざま。ワークスタイルや家族構成などによっても環境や条件は千差万別だからです。家族の生活動線や仕事の作業動線などをより具体的にイメージしながら家族で話し合ってみるといいでしょう。今回の記事を参考に快適なワークスペースを実現してください。